意見交換掲示板過去発言No.0000-200207-137
レス2題 |
投稿日 2002年7月16日(火)12時15分 プロキオン
7月15日の せにょさんへ ハムスターはひじょうに身繕いをする動物であり、体に付いている異物を嫌い ます。異物、すなわち縫合糸も、これを取り除こうとするのも、習性ゆえとい えます。 しかし、これを傷口が癒合する前に取り除かれてしまっては、はなはだ具合の 悪いことです。ハムスターのオペを実施する以上は、この対策があってしかる べきなのですが、実のところこれは名案という方法はありません。 私も眼球切除したハムスターの眼瞼を縫合した際に、眼瞼なのですから、さす がに口は届くまいと安心していたことがあります。 口は届きませんでしたが、手の爪で縫合糸を切って抜いてしまいました。 執刀された先生にまず相談してみることなのですが、それができないようであ れば、飼い主さんが手をかけて、傷口への関心をそらせるようにして下さい。 7月16日の ミューとナルの姉さんへ 脱腸とありますが、これは腹部に形成されているヘルニアでしょうか? ヘルニアの場合、どこにできているかで、術式も異なりますので、具体的なア ドバイスは難しいところです。 共通して言えるのは、発生部位の筋肉が弱く成って裂孔ができているわけです から、単純にヘルニア孔を閉鎖しても、再発する可能性が付きまといます。 そのために、ヘルニアの位置や大きさ、補修をするための資材の検討が必要と なります。 手術を勧められた先生が、これならオペの適応と考えられたのであれば、それ は自信があってのことなのでしょう。 臍ヘルニアの手術でしたら、私は避妊手術のついでにいっしょに実施していま す。さほどの負担になる手術とも考えていません。 歯石についても同様ですね。恐らく、麻酔の危険度について心配されいるので あろうと推測しています。 麻酔については、これは実際に麻酔をかけてみないと分からないことがありま す。興奮させてしまって大量に薬剤を必要とするということもなく、大人しい 動物においてもいきなりショックが起きることはありますし、呼吸や心臓が想 像以上に抑制を受けてしまうものもいます。 実際にかけてみないと分からないの麻酔なのですが、患者の心配機能に余裕が あるとか、充分な酸素化を図るとかが防止策なのですが、一番大切なのは、常 に何が起きても驚かないだけの準備と心構えで麻酔に臨むことだと思います。 つまり、執刀する獣医師の人間性と言えます。麻酔のアクシデントというのは めったに発生するものではないのですが、そのめったにないことにも備えてい るかということです。 麻酔のアクシデントの頻度というのは、発生するか否かで言えば圧倒的に少な いのですから、これによって得られるメリットの方がはるかに大きいといえま す。 したがって、麻酔事故が起きるかを心配されるよりは、飼育されている犬達を 託す獣医師そのものを気にかけられる方が良いでしょう。 ただし、獣医師の評価というのは、人によって著しく差異があります。他人の 評価ではなく、自分自身のものでなくてはなりません。 さもないと、何かあった場合、獣医師や情報をくださった人を恨むことになり かねません。 |
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