意見交換掲示板過去発言No.0000-200207-187
レス:ラットの肉腫 |
投稿日 2002年7月23日(火)12時35分 プロキオン
7月22日の 兎丸さんへ 何故、肉腫と考えられたのですか? 書き込み内容を拝見する限り、肉腫を示 唆するに足る事項は何も記載されていないようです。 肉腫というのは、非上皮性細胞の腫瘍を意味しますが、リンパ節の腫大はこれ とは区別されるべきものです。もともと、リンパ節は外部からの侵入物に対し てこれを捕捉・排除しようとして働く組織ですから、その機能が働いている際 に腫大しているのは当然の事と言えます。 まず、金曜から土曜日にかけて大きくなったというのは、腫瘍性と考えるのに はあまりに急激な変化といえます。 内容物が、赤血球と白血球というのも内容としては、ごく普通であり、リンパ 節の反応像としても矛盾点はありません。 ここで見られた白血球の種類を見てみれば、炎症像であるか腫瘍であるかは判 断可能なはずです。肉腫というのは、この場合「リンパ肉腫」のことを想定し ているのだと推測しますが、悪性所見を複数認めるリンパ球が増殖していて、 初めて「肉腫」の疑いが出てくるわけなのです。 診断された先生が悪性の可能性もあると言われているそうですが、この場合は その根拠をお聞きしておかなくてはなりません。 それはつまり、細胞を見てみたのはリンパ節のごく一部にすぎないから、全体 像の中には(見ていない部分には)悪性の部分を残されている可能性もありま すよという意味の場合と、 見た細胞の中に、要注意の所見があったが、実施した検査のレベルではまだ詳 細を口にする段階ではないと考えられた場合、 の両方があるはずなのです。この両者は、まったく正反対のケースなのですか ら、その意味するところは正しく理解しておく必要があります。 また、「脂肪腫」につていもお尋ねですが、これは喉の腫れについてお考えと いうことなのでしょうか? 脂肪腫であれば、内容として認められるのは脂肪滴と結合組織といことになる はずです。脂肪は、それ単独で増加することはできません。結合織のなかの脂 肪細胞に蓄積されることによって貯蔵されます。 本来的な意味であれば、この脂肪蓄積細胞の異常な増殖が脂肪腫なのであって 、この細胞の増殖がなければ、それはただの過剰な脂肪蓄積にすぎません。 ただし、実際には臨床の場では この両者の正確な区別はなされていないこと の方が多いと思います。 脂肪の蓄積であれば、これは食べ物を検討する余地はありますが、本来の脂肪 腫であれば、食べ物でどうなるというものではありません。 ハムスターにおける褐色脂肪腫というのは、また趣がやや異なる話になります が。 |
|
|
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」 ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴) サポーターや広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)、 多くの人々に支えられています。 獣医師広報板へのリンク・サポーター募集・ボランティアスタッフ募集・プライバシーポリシー 獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。 @mukumuku_vetsさんをフォロー
Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved |