獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200207-201

マルチレス
投稿日 2002年7月24日(水)17時20分 プロキオン

7月23日の とんちゃんへ
右前足のどの関節のどの骨が骨折しているのかは分かりませんが、関節嚢の中
で関節を構成する骨の一部が欠けたのであれば、書き込まれているような情況
もありえるのかもしれません。
ただし、この場合はその骨片が、やがて関節鼠となって痛みや機能障害を伴う
ようになるかもしれません。
関節嚢の外の長骨が完全に骨折しており、その位置があまりに関節に近い場
合であれば、偽関節を生じているのかもしれません。こちらの場合ですと、機
能障害はあると思いますし、痛みもあります。ウサギが一生懸命にポーカーフ
ェイスを装おって痛みに耐えているのだと思います。
偽関節であれば、これの不動化を図らないと骨折の治癒は進みません。


7月24日の 兎丸さんへ
やはり、炎症に対して反応して起きている事象のように考えます。また、その
方が可能性としても高いのではないでしょうか。
炎症ということであれば、何もリンパ節に限った話でなく、結節状の腫脹とい
うのは形成されると思います。本来は前の段階があって、その後に腫脹として
認められる訳なのですが、腫脹が形成されてから初めて気が付くというケース
の方がやはり多いようです。


7月24日の ゆきさんへ
お尻のハゲという表現が、肛門や陰部周囲の事であれば、これは汚れや蒸れに
よる皮膚炎が原因といえます。
ウサギの皮膚は弱いので、この部分であれば皮膚炎から被毛の毛根が休止期に
入ってしまい、非常に抜けやすい状態になります。
腰背部ということであれば、外部寄生虫、アレルギー、ビタミンやミネラルの
不足、他の個体によるむしり取り、その他の皮膚炎等の原因も考えられます。


7月24日の パピさんへ
子犬のワクチンの接種時期と言うのは、本来であれば母犬からの移行抗体の消
失する時期に合わせて実施することが望ましいわけなのですが、手間や経費、
検査機間が近くにない等の理由で個々の子犬については、この最も望ましい接
種時期を調べる事なく、一般的な移行抗体の消失時期に合わせて、ワクチンを
接種するようにしています。
件の子犬は、母犬の初乳を充分に飲んでいないと判断されて、この一般的な接
種時期よりも 早期にワクチンを接種されたのかもしれませんね。
しかし、この場合はどの程度のワクチン免疫が獲得できているのか不明ですの
で、できるのであれば、血清中の抗体価を測定されてみることが良いと考えま
す。これができないようであれば、2回目以降のワクチンの接種時期と接種回
数を検討された方が良いでしょう。


7月24日の エリさんへ
カイセンダニではなく、肉眼で確認できる吸血性のダニのことのようですね。
こちらのダニであれば、犬に対してだけでなく、ダニの生息環境にも駆除を働
きかける必要もあるかもしれません。
また、その地域に暮らしている犬達全ても駆除剤のお世話になった方が良いと
考えます。
書き込まれている内容を拝見すると、ダニの数がちょっと半端ではないように
感じました。

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