意見交換掲示板過去発言No.0000-200207-54
re犬と猫 |
投稿日 2002年7月6日(土)22時06分 はたの
獣医師ではありませんがご参考まで。イヌネコ雑居させています。長文失礼。 超小型犬以外、問題は、「犬が猫を殺さないか」になります。 同居ですから、これは、「イヌの抑制」に頼ることになります。 「イヌの抑制」=狩猟衝動−自己規制ということになります。 個体差系統差はありましょうが、おおざっぱに考えると、Gシェパードは中程度の危険性を持ちます。「自己判断で獲物を殺す」目的で作られたテリア類よりは安全でしょうが、「飼い主の指示ある時のみ半矢の獲物さえも殺さずに持ち帰る」鳥猟犬よりは危険ですので。 所与の特性を持ったイヌがどんな時に狩猟衝動を発揮しやすいかと言うと、獲物(この場合ネコ)が 「パニックになって逃げようとする時(逃げられると計算して逃げるのと異なります)」 「『巣』の外つまり屋外にいる時」 となります。 まず第一に、ネコは完全室内飼いになさるべきです。「イヌは危険でない」と思い込んだネコが、屋外でイヌに出会うのは危険です。 また、いつ迎え入れるかの前に、「イヌネコともフリーで同居」のためには、ネコの運動能力がある程度以上発達していることが必要になります。タンスの上に簡単に飛び乗れるぐらい、とお考えください。その自信があればこそ、イヌが何かのはずみでちょっと攻撃的になった場合も、鼻を殴るとか、ゆとりをもって高所へ逃げるとかが可能となり、イヌの狩猟衝動に水を差すことができるからです。 同時に、イヌの悪意のない攻撃、甘咬みに耐えられる体も必要です。イヌの歯の破壊力というのはかなり物凄いものでして、悪気がなくても子猫の内臓を破裂させかねません。ネコがあまりに幼いと、「痛いぞ、こら」と反撃する間もなく死んでしまうわけです。 ということで、むしろある程度月齢がいってからのほうが同居向きです。イヌのほうも出産直後に入れ替える・・・とかでないわけですから。 幼いうちから会わせるのは善し悪しです。母猫がイヌ許容ならプラスですが、そうでないのならかえってマイナスであります。母猫の態度から「イヌは怖いもん」と覚えますので。 他方、遅すぎてもまずいわけです。ココロが固まると。 ですので、選べるのなら、2ケ月半ぐらいで迎え入れるのがお勧めです。 ただ、いきなりのフリー同居は避けます。 まず、ネコ用のケージを用意します。幅90×奥行き60×高さ120センチのものがお勧め。上下に扉があるものです。 上の扉は来客時等以外開けっぱなし。上下に棚があるですが、上の棚の奥(イヌが届かないはず)にネコ餌皿。 下の扉は原則閉め切り。床にネコトイレ。イヌにとってはネコの糞は正常な餌ですので食べないように。 猫が4ケ月ぐらいになるまでの間は、下扉も開けておきます。ただ、前面開放だとイヌがネコトイレを悪戯するでしょうから、ペニヤ板等で、「ネコは通れるけどイヌの顔は通らない」もう一枚の扉を作り、設置します。 そして、その間は、イヌネコを一緒にするのは「ヒトが見ている時」に限ります。1分の空白も不可。トイレに立つだけでも不可です。サイズが違うと、「イヌに悪気がなくても危ない」ものなのです。 そのかわり、一緒にさせる時は、イヌを叱りすぎないことです。「禁じられた対象」になると、かえっていじりたくなるものですから。同居初日からまずは抑制なしで接触させます。舐めたり鼻でつついて転がしたり、「前歯で」小さく咬むのは許容。イヌがやりすぎてネコが嫌がった瞬間に短く叱りますが、取り上げてはいけません。スキを伺うようになります。 犬歯で咬もうとしたら(咬む前に)鋭く制止します。 10分ほどしたら、イヌを伏せさせ、ヒトはイヌのそばについて、ネコに自由に室内を探索させます。この時、ヒトは全員がネコを無視します。イヌの気を引いてやります。叱りつけながらイヌをじっとさせるのはうまくありません。嫉妬させないためです。ネコのしつけは後回しに。ネコにとって危険なものは予め片付けておいて、ヒトがネコに関わる必要がないようにしておきます。 ネコとイヌが寄り添って眠ったり、鼻面を突き合わせたりするのはかわいいものです。 が、その平和は物理的に担保されておらず、ひとえにイヌの心理に掛っています。イヌの狩猟衝動とネコのパニック的逃走の悪循環を「最初から起こさせないように」するのが大切です。そのためにはネコの側に「非パニック的な(イヌをからかうような、言い換えると口をとんがらせない)逃走」「反撃」のゆとりが必要で、そのためには、一体の身体能力と、室内の逃げ場を熟知することが必要、となるわけです。そしてその身体能力は、幼さより必要度が高くなります。幼ければ幼いほど順応するというわけではなく、10〜12週齢までなら、4週齢と同じように、「イヌを仲間と見做す」ことが可能になります。 そんなに慌てることはない、と考えます。 |
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