７月７日の　あさこさんへ
卒業研究とのことですが、内容的には個人の集まりであるＢＢＳには、不向き
なテーマだと考えます。
動物園に勤務する職員が閲覧している場合もあるかもしれませんが、お知りに
なりたいとされている内容は、所謂「財布の中身」です。公立であろうと私立
であろうと職員が個人的に外部に出して良いものでもないのではないでしょう
か。やはり、正式に各動物園にアプローチして、調査協力を求めた方が良いよ
うに思います。
卒業研究というからには、指導担当教官がおられると思いますが、その先生の
意見はどのように話されていますか？　夏休みに動物園に実習を希望する時な
ど、動物園側から担任教官の推薦状を求められることもあります。指導教官の
先生の協力も必要かもしれませんよ。

７月７日の　あんずさん
子猫の体重としては、少ないかもしれませんが、私達の病院へ来院する猫には
所謂標準どうりの子猫というのも見かけないものです。
母猫がまだしっかりとした大人の体格にならないうちに出産したというのであ
れば、スタートの時点で子猫の栄養状態というのもハンディキャップを負って
いたのかもしれません。
現在の健康状態に問題がなければ、成長の過程で取り返せるでしょう。月齢は
すでに最初のワクチン接種が必要ですので、一度動物病院へいらして、直接健
康状態をチェックしてもらって、ワクチンを接種して貰えば良いのではないか
と思います。

「犬のアルカリ乳」
これについては、私は遭遇したことがないので、書くべき意見をもっていませ
ん。

乳汁というのは、乳腺組織で造られ、水、乳糖、脂肪、蛋白質、無機質、ビタ
ミン等を含みます。浸透圧は血液と等しいのですが、糖、脂質、カリウム、カ
ルシウム、リン等は血液の数倍から数十倍含まれています。

そもそも、酸とアルカリというのは食品の中に含有されている成分に由来しま
す。硫黄、塩素、リンなどは体内でそれぞれ硫酸、塩酸、リン酸に変換される
ので、これらを含む食品は酸性食品となります。
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを含む食品は、体内で
水酸基と結びついて水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、…、等のアルカリ物
質となります。これらの食品としての酸性・アルカリは健康とは直接の関係は
ありません。生体の恒常性維持作用のため、余分な蓄積が起きないように働い
ているためです。
乳汁中の酸・アルカリについても、恐らくは構成成分として、どのような元素
もしくはミネラルが反応しているかということに左右されるのではないかと推
測されます。端的に言ってしまえば、乳汁中に水酸基と結合するミネラル分が
多量に分泌しているということになるのかもしれません。

牛乳を例にとると、アルコール試験というものがあるのですが、これにアルコ
ール不安定乳としてはね除けられるものに、高酸度乳とか乳房炎乳とか、低酸
度二等乳とかがあります。低酸度乳の方が品質としては悪く、飲用に不適とな
ります。アルカリ乳もこれに近いものと考えて良いのかも知れません。
また、乳房炎についても乳汁をアルカリに傾ける細菌も存在しています。未経
産牛に見られる「魔乳」というのはホルモンのいたずらとも言われています。
アルコール不安定乳の原因というのも、飼料、乳房炎、ホルモン、環境要因等
いろいろな原因が考えられており、また必ずしも原因が１つに搾られるという
ものでもないのです。

何故、アルカリ乳になるのかという質問であれば、アルカリ反応を呈す元素叉
はミネラルが乳汁中に大量に分泌しているからとなりますが、では、何故、そ
のように現象が発生しているのかというと、これは当該犬を目の前にしても、
それだけで分かるというものでもないと考えます。
子犬の栄養源としては、程度にもよりますが、あまり好ましいものではないで
しょう。