意見交換掲示板過去発言No.0000-200301-235
レス |
投稿日 2003年1月30日(木)15時56分 プロキオン
1月30日の みゆこさんへ 「猫に海苔」 本来であればいけないと忠告した方がその理由を説明してくれないと、本当の ところが分からなくて困りますよね! これは、私のかってな推測なのですが、おそらく海苔の中に含有されているミ ネラル成分を気にしてのことではないでしょうか? 御存じかと思いますが、海苔はひじょうにミネラルに富んでおり、このミネラ ルの過剰が猫の場合、尿石症との関連を危惧されています。キャットフードに おいてもこの疾病の予防を目的としてマグネシウムの含有量を減少させる傾向 にあります。尿石症の治療用の処方食となるとはっきりとこの傾向があります。 尿石症になりやすくなるので、あまり与えるなという意味でしょうか。 海苔自体が問題のある食品というのではなく、程度の問題なのではないかと考 えます。 また、猫にアワビがいけないという話であれば、こちらにはまた別の理由があ ります。こちらの話と混同されてしまっているということではないのですよね。 「犬の人工授精」 動物に対して、人為的に授精作業を実施する業務は人工授精師の資格が必要と なります。 資格取得については、法律に基づいて講習と資格試験が課せられています。 また、この資格も動物ごとに制約を受けます。 講習と試験の実施主体は県となりますが、各県とも毎年実施しているわけでは なく、不定期の実施です。 したがって、自分が居住する県で講習や試験の予定がない場合、県の担当窓口 や人工授精師協会のツテを頼って、他県にまで出かけていくこともしばしばあ ります。 獣医師や畜産系の学校卒業者であれば、試験が免除される場合もあります。 ただし、この人工授精はほとんどが牛と豚を対象としたものです。馬や犬を対 象とした場合は普及していません。 馬や犬では、凍結精液が利用されないからです。では、それは何故かと言えば、 国内に一元的に精液を管理する団体がないからです。馬の場合はないこともな いのですが、やはり種牡馬によって、とんでなく値段が異なり、精液のストロ ーでは簡単に摺り替えができてしまう恐れがあるからとされています。 妊娠した、しないで、巨額の金が動くわけですから、事後のトラブル回避には 、実際に種牡馬に交配してもらった方が間違いのないところと言えます。 犬においても、ほぼ同じ理由から凍結精液による人工授精は普及していません。 交配の現場で雄犬から精液を採取して、雌犬に授精させるのであれば、そのま ま犬同士で交配させた方が、はるかに簡単で確実な方法なのです。 犬同士の方が人間が押しはかるのよりも、はるかに授精の適期を承知していま すし、それで受精が成立しないという場合は、他の要素が潜んでいる可能性が あるからです。 いわゆるリピートブリーダーとされる個体では、改善されなくてはならない問 題や過去の疾病が原因となっているほとんどです。このような場合には獣医学 的な治療が必要です。 現場で精液を採取して注射器で雌の膣内へ注入して受胎したというのであれば、 それは単に犬同士の相性が良くなかっただけのことです。 受精適期なのに拒否した相手の子供を妊娠させられるというのも、気の毒とい いえば気の毒で、これは私の個人的な感慨ですが。 もう1点、種雄が死んでから、30年40年と経過してからも子犬が生まれて くるというのも血統を管理する団体にとっては混乱の元と言えるのではないで しょうか。 とりあえず、「家畜改良増殖法」の第13条に 「獣医師叉は、家畜人工授精師でない者は、家畜人工受精用精液を採取し、処 理し、叉はこれを雌の家畜に注入してはならない」 と記載されています。 ただし書きとしては、「学術研究用」「雄雌とも自己の所有する家畜であるこ と」「その他、省令で定める場合」の3点が認められています。 また、この法律で定める家畜とは、別に政令で定めることとなっていますが、 犬は「種畜」の概念から外されているのではないでしょうか? (この点は未確認ですが。) まあ、かなり回り道な話をしてきましたが、つまるところ、そこまでして雌犬 を妊娠させなくてはいけない理由ってなんなんだろうという疑問なのです。 今飼育している犬は一生懸命可愛がってあげれば良いし、その子がいなくなっ たのであれば、不用犬として処分されかかっている犬にも興味を持ってほしい と私は考えているわけです。 例え、クローン犬といえども、すべての遺伝子にまったく同じようにスイッチ が入ってくれるという保証はなく、今飼育している犬は唯一無二に存在であり、 代わりがいないという事実は変わりません。人工授精してまでも特定の犬にこ だわる必要はないように思うのですが。 ちょっと、違う方向から私見をのべさせてもらいました。 |
|
|
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」 ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴) サポーターや広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)、 多くの人々に支えられています。 獣医師広報板へのリンク・サポーター募集・ボランティアスタッフ募集・プライバシーポリシー 獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。 @mukumuku_vetsさんをフォロー
Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved |