獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200302-94

犬、猫の不妊処置について
投稿日 2003年2月12日(水)09時13分 sango

私は最初に飼った犬は5才くらいまで避妊しませんでした。
それは子犬を産ませるかも知れないと言う理由からでした。
実際、3才の時に一度交配し繁殖経験があります。
その犬をその年(5才)で避妊手術してもらったのは、
年をとってから格段に発生率が高くなると言う子宮癌や卵巣癌の危険を無くすため、
また少しでも早い方が年齢を重ねる事による麻酔の危険を軽減する事ができると考えたためでした。
手術はしましたが、出産経験もあり乳腺は発達しているので乳癌の危険はなくなった訳ではありません。
この犬は肥満細胞腫の既往があり、心配のタネは尽きません。

2頭目の犬は最初の犬が2才の時に来ました。
この子は子犬を産ませる事は絶対ないからという理由で、生後半年の時に避妊手術をしました。
乳腺も発達する前だったので生殖器系の病気のリスクはほぼ回避されたと思って、その意味では安心しています。

最初の犬が3才の時に産んだ子犬を2頭家に残しました。
この子たちは雄ですので、普段家の中にいる事もあり、困った事がおこる前に(そうと決まった事ではありませんが)と最初から迷う事無く去勢手術を受けさせました。
避妊手術を受けさせた時と違い、去勢の時は気は楽でしたが、やはり可哀想と言う気持がなかった訳ではありません。
ただ先のことを考えれば、うちのような多頭飼いのケースでは、そうした方が色んな意味でのトラブルを事前に回避することができると考えました。
そしてそれがこの先ずっと一緒に暮らして行くお互いにとってのストレスを軽減してくれるものと思っています。

先ごろ私の知りあいが生まれたばかりでへその緒がついたまま捨てられていた子犬を拾った人から世話を頼まれ、
親代わりから里親さがしまでこなし、大変な思いで育てています。
放置されれば間違いなく死んでいた子犬達です。棄てた人も分かっていて棄てたのに違いありません。
生まれた子犬に罪はないのに、望まれずに生まれて来た子犬が辿る末路は悲惨です。
その人が子どもの頃、近所の家で子犬がうまれると土に埋めていた、と言っていました…。

かつて知りあいの家では「子犬を産むから」と言う理由で飼っていた犬を保健所に連れて行ってしまいました。
かといってその家では犬を飼わない訳ではなく、その息子を家に残しました。
「なぜ?」という思いで一杯でした。

生まれた子の事まで責任が持てるのならば、あとは飼い主次第です。
その他にも様々なトラブルが起こりうるであろうと予測し、それにもすべて責任を持つ事ができるのであれば。
犬や猫に責任はありませんが、人間社会の中で人と暮らして行く以上目をつぶらなければならないものもあるのではないでしょうか。
「望んで人と暮らしている訳じゃない」と言われてしまえばそれまでですが。

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