意見交換掲示板過去発言No.0000-200303-112
RE:ステロイド |
投稿日 2003年3月12日(水)16時47分 プロキオン
3月12日の くうちゃんへ ステロイドというのは、副腎皮質ホルモン製剤のことをおっしゃっているので すよね。とすると、誤解があるようです。 副腎皮質ホルモンの長期投与によって誘起されるのは、「副腎皮質機能亢進症 」ではなく、「副腎皮質機能不全」の方になると思います。 これは、体外からのホルモンの投薬によって、自らの副腎皮質がホルモンの分 泌の必要性を感じなくなって、その機能を減退させてしまうためです。 一時的に大量に投与された場合、血中のホルモン濃度は上昇しますが、それを 元に戻すために調整するための生理的な作用が行われるということになります。 「機能亢進症」という場合は、幼弱期にホルモンのバランスが崩れていたりし て、調整がとれなくなっていたり、副腎そのもの問題があって、腫瘍的な増殖 をきたしていたりする場合に見られます。 治療目的で副腎皮質ホルモン製剤が投薬されているのであれば、血液中のホル モン量が増加するのは、それこそが投薬の目的といえます。 副腎皮質ホルモンは、さまざまな目的とその目的に応じた薬用量で使用されま す。 ある時は炎症を静める目的であって、ある時は免疫を抑制する目的であったり します。つまり、ある目的のときには副作用であることが、別のあるときには 主作用であったりもするわけです。 したがって、副作用の発現というのも、用量や用法に応じて考慮されるべきも のといえます。今現在、どのような目的でどのくらいの薬用量がどのくらいの 期間投薬されているかが大事な点です。 そして、それを考慮した上で処方するのが、主治医の仕事なのです。 |
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