獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200306-73

なりたいヒトはなれます。
投稿日 2003年6月11日(水)11時32分 わたらい先生

こんにちは、みみさん。
動物実験や実習の嫌いな学生さんというのも昨今は増えたようで、大学が近所にあるせいかそう言った学生さんにもお会いしたことが何度かあります。
「観念」とでもいうか、若い方達からは自分の頭の中にある世界に固まって身動きできなくなっている息苦しさを感じました。
別に動物を殺す実習を拒否しても担当教官が他の方法で単位を認定してしまえば、大学という所は1年生の次は2年生、3年生・・・と、ベルトコンベア式に学生を卒業させてくれます。
入学さえすれば、よほど悪いことをしない限り6年間在学すると獣医師免許を取得できるんです。
(普通、受検すればあまり不合格になったりするヒトの少ない国家試験なので)

笑ってしまう話としては、「動物実験反対」を唱える数人の獣医学生グループが居て、彼女らは生理学実習の時は「こんなかわいそうな・・」で、見事実習に参加せずレポートだけで単位を取ることに成功しました。が、鬼のように怖い堅物の先生がいる解剖学実習(ウシやらウマやらイヌやらを使います)のときは、大人し〜く、最初から一言も文句を漏らさずに実習を受けたそうです。
「さすが○○先生だ」とは、当事者のいる学年よりも上の学年や卒業生、教官達の間で囁かれた武勇伝(?)でした。

耐えられなくて大学辞めちゃった方も居ましたが、僕が会ってみて思ったのは、「ダメ」。
就職の面接のときだったのですが、水商売のお姉さんみたいな格好で現れました。
(確かに動物がかわいそうなのかも知れませんが)小学生が癇癪を起こして飛び出したのと変わらないんです。
あまりにも幼くて、芯が通ったものを感じさせません。
もっと大人の目線で、色々感じられるようになってくれないとイケマセン。

実際の所、大学での実習用の動物の確保が困難になってきていますから、イヌ1頭をあちこちの学生実習でたらい回しに使ったりする光景も増えたそうです。
そんなでは、本当に局所のちょっとしたことしか出来ませんから、(ついでに)あちこちとダイナミックに切り刻んで色々な勉強に使ったりするわけにはいかないようです。やっている教官も面倒になってきたのか、ビデオでオシマイとか、組織標本を見るのに顕微鏡を使わないでスライドや写真を見せただけで実習オシマイとか、僕の学生の頃と違って、そういう手抜き的光景も増えたようです。
まあ、卒業論文なんかでも代替法を使った実験データでいけるならやっても良いのかも知れませんが、「(実験動物を)使わないと予算が足りない」などという話になるのであれば、大人しく従うしかないでしょうね?
まさか、「自分の実験のために所属講座の予算を殆ど使ってください」というわけにはいかないでしょうから。

願わくば、「自分は安全な所から動かず、高みの見物。口先達者なペーパードライバー」が世にはびこることの無いように祈ります。
どうせ手術書を何回読んでも、図表や写真、ビデオを何十回見ても、実際の患者さんを扱うときにはマニュアル通りに行かないことの方が多いのですから。
本だけ読んで勉強した人は現場で使えないはず。

若い人。
こういう表現が合っているかどうか知りませんが、自分の世界観に凝り固まって逆に世間を小さくしているヒト、大勢います。
もっと人生楽しくやりませんか?
意見交換なんですから、煮詰まった水掛け論しないで、楽しくやりましょうよ。

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