獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200307-239

マルチレス
投稿日 2003年7月30日(水)17時57分 プロキオン

7月29日の えみこさんへ
すでに2名の方からレすがありましたが、私も同じように今慌てふためく必要
はないと考えます。
口腔から肛門までの消化管でおよそ7ケ所くらいひっかかりそうな場所はあり
ますが、何故かうまくしたもので出てくる時は出てきます。飲み込んで1週間
後に吐きもどした例もあるし、96年9月以来飲み込んだまま未処置の例もあ
ります。胃壁を穿孔して腹壁に膿瘍をつくった例もありました。
渋谷の忠犬ハチ公などは死後の解剖で8本の焼き鳥の串が出てきたそうです。
飲み込んでから串が移動していると、それこそお腹の中を捜しまわらねばなら
ず、また犬自身も大きくて手術の傷口を気にする犬だと手術の侵襲だけですま
なくなるケースもあります。私のところでは夜間のスタッフがおりませんから
、必ずしも手術による摘出がベストとは考えておりません。
飲み込んだ直後に内視鏡によって取り出すことができれば、それに越したこと
はないのですが、それができなければ様子を見るということも私の場合は有り
です。
犬がキャバリアであれば、本人の性格次第では手術でもよいと思いますが、い
ずれにしてもテレビの「獣医師もの」で騒ぎたてる程、危険な事態とは考えて
おりません。まずは落ち着いてから、いろいろ検討されれば良いでしょう。


7月29日の チェリーママさんへ
パールちゃんがおっしゃられているように臍帯の結紮位置と臍ヘルニアの発生
とは、相関関係にありません。


7月29日の スポイルドキャットさんへ
蚤が見られないとのことですが、蚤の痕跡(糞)も見られませんか?
そのような場合は、動物病院で扱っている蚤駆除薬をとりあえず1回使用して
みてください。
蚤が原因であれば、この処置で改善が認められるはずです。もし、動物病院の
蚤駆除剤で効果が認められないようであれば、別の原因を探らなくてはなりま
せん。
昨日、蚤の駆除の有無をお尋ねしたのですが、これは動物病院の方でも実施し
ていないし、駆除もしじされていないと受け取ってよろしいですか?
蚤アレルギーの診断でありながら、蚤の駆除が実施されていないというのは、
私には理解できないことです。本当に蚤アレルギーと診断されているのですよ
ね?
シャンプーは実施してあげた方が早く皮膚が落ち着くと思いますが、猫であれ
ば無理強いは禁物です。シャンプーできない猫にまでする必要はありません。


7月30日の P27さんへ
膨らみがお腹側ということであれば、おそらく脂肪の塊である可能性は高いと
思います。
ただ、脂肪の塊であって、脂肪腫ではないでしょう。脂肪腫というのは、「脂
肪細胞(脂肪蓄積細胞)」の異常な増殖であって、脂肪細胞による脂肪の蓄積
状態とは本来異なります。おそらく今回の場合は、細胞の増殖ではなく、細胞
の肥大なのでしょう。
まあ、飼い主さんから見れば「言葉遊び」のように感じられるかもしれません
が。直接命に関わることはありませんが、自分で咬んだりしますので、そうい
う行為には御注意下さい。
「別の要因」というのは、このような状態を指して「腹壁ヘルニア」と診断さ
れていたことがあるからです。実際、このようなヘルニアもあることはあるの
ですが、大抵の場合は腹壁が過剰に伸展して脂肪が蓄積されたものであること
が多いようです。原因が腹壁の伸展であって、脂肪の蓄積が結果です。


7月30日の かおりさんへ
停留睾丸については、こちらの掲示板でも投稿の事例が多い様です。こちらの
掲示板に用意されている検索システムを活用されるとかなりのヒットがあると
思います。
「片睾丸」や「陰睾」でも検索されることをお勧めします。


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