意見交換掲示板過去発言No.0000-200310-56
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投稿日 2003年10月7日(火)19時40分 プロキオン
10月5日のカールさんへ 手術に使用する吸収糸というのは、使用する目的と場所(組織)によって、選 択され、それぞれの種類によって吸収されるまでの期間があります。 しかし、4年経過しているということであれば、どのような吸収糸であろうと すでに吸収されてしまっているはずです。 外から見える黒い糸のようなものは、縫合糸でないか、逆に吸収糸が使用され ていなかったかのどちらかではないでしょうか。 もっとも、非吸収糸が体内の縫合に使用されていたからと言って、それは別段 おかしなことではありません。確実な結合を望むとか組織反応を抑えたいとい うことであれば、むしろ積極的な選択もあります。 外科の実習のセミナーの際の講師の先生は、アメリカの某有名な先生など腹腔 内の結紮にさえステンレスワイヤーを使用していると話されていました。その 講師の先生も縫合はワイヤー派でしたよ。 異物には違いありませんが、組織の再構築にとって障害とならなければ、それ は問題とはなりません。 10月5日のまちゃみさんへ 「大後頭孔形成不全」と記載されていますが、頭蓋骨の大泉門や小泉門のよう な癒合部の閉鎖が不十分な状態のことですね。 チワワやミニチュアダックスでは、珍しいことでもないように思います。むし ろ、かなりの頻度で遭遇すると言えます。 目にされた飼育本がたまたま記載していなかったのではないでしょうか? 発生頻度の高い種類の犬を対象とした本であれば、記載されていたと考えられ ます。 10月6日のポン吉さんへ 動物においても「精神的なストレス」の状態はあると思います。では、「ノイ ローゼ」はどうでしょう? 何をもってノイローゼとするのか、基準を御存じでしょうか? 動物のノイロ ーゼというのは定義がないのです。直接、会話して診断することがかなわない からです。つまり、外から当事者以外の人間が判断してそう称しているにすぎ ないのではないでしょうか。 動物における異常な行動は、行動学の分野で「問題行動」として扱われていま すが、これは「人間にとって問題のある行動」であって、当の動物にとっては 当然の行動であるものも相当に含まれています。 飼育する人間と飼育される動物との不適合がそこにあるということになります 。人間にとっての不都合を矯正しよとすることは、動物にとってはストレスを 増やすことになるかもしれません。 しかし、人間の我慢が限界を超えれば、飼育の断念に繋がるかもしれません。 両者にとって、折り合いの付くところを捜すのも行動学を学ぶ者の仕事と言え るかもしれません。 10月7日の由香さんへ 潰瘍が生じており、膿まで出ているのであれば、様子をみている必要性を感じ ません。治療が必要な段階です。 |
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