獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200311-110

マルチレス
投稿日 2003年11月11日(火)17時08分 プロキオン

11月10日の JCさんへ
「麻薬探知犬」あるいは「麻薬捜査犬」というのは、普通私達がテレビなんぞ
で目にするのは空港や港湾での税関の仕事として実施されていますので、まず
そちらへ就職することが、第一の条件です。
警察等による警察犬の1つの仕事として実施される場合も、やはりそちらへの
就職と鑑識への配属が必要になります。
それ以外には、これらの犬の訓練を預託される訓練所への就職があるかもしれ
ませんが、こちらにつては、業務に支障を生じないようにその詳細を明らかに
しないのが常ですので、ちょっと分かりかねます。


11月10日の るうるうさんへ
放置されていた骨折箇所がそのまま重なりあって癒合してしまったということ
のようですね。
私も無理に手術で整復する必要はないように思います。こちらを整復するとな
ると、「骨切り術」と「ステップバイステップ」というような骨や筋肉靱帯を
少しずつ伸ばすための処置も必要になるように思います。時間も経費もかなり
必要となりますので、日常生活がおくれることを優先されても それで「可」
と考える選択肢もあると思います。
むろん、るうるうさんの当初のお気持ちのように より快適にということで、
それ以上を望まれることにも、問題はありません。


11月11日の リホさんへ
私の言わんとすることは、すでに鳥越さんに言われてしまいました。
本来、ワクチンを接種する際には本人が保有している抗体価がどのくらいある
かが重要であり、これによって何時接種するかが左右されます。
(1年に1回とか、3年に1回とかいう考え方がそもそもおかしいのです。)

実際問題として、この抗体価がどのくらいあるのかをその都度検査してから、
ワクチン接種することが費用的にも時間的にも容易でないので、メーカーのデー
タから1年に1回とされていたわけです。
ところが、アメリカのあるメーカーが線維肉腫(私は肉芽腫だと思うのですが
)の問題から、抜け駆けをした感があります。また、その裏には、かなりの駆け
引きもあったようです。この点についてはBig1先生がすでに述べています
ので、省略しますが、必ずしも猫のことを考えてのことではありませんし、3
年に1回と主張した団体も飼い主の味方であったわけでもありません。むしろ
、飼い主が納得しがたい理由を展開していました。

本当に必要な時期に接種すると言う事であれば、毎年抗体価をチェックしなけ
ればならず、費用的には毎年接種するよりも、かかります。
これは、その対象となる動物が居住している地域のウイルスとの接触率との関
連がありますので、10頭や15頭の実験室内でのデータで結論できるもので
はありませんし、猫では1年に1回の接種でも感染は防ぐことはできません。

その動物が居住している地域の免疫率・抗体保有率を抜きに考えることがすで
に机上論なのです。
それを考慮せず、抗体検査も実施しないでということであれば、これは暴挙と
なってしまいます。

また、ワクチン接種のリスクとおっしゃいますが、リスクとはなんなのでしょ
うか?  急性アナフィラキシーを呈すような子には3年に1回どころか、た
だの1回だって接種してはならないのです。接種回数とは、まったく別の問題
なのですから、この話を混同する自体に誤りがあります。
遅延性のアナフィラキシーいわゆるアレルギー反応とて同じです。アレルギー
がワクチンによるものと明らかであれば、これはもう接種を避けるべきなので
す。ワクチンの接種回数を減らせば良いという理屈にはなりません。
どうして、ワクチンの接種回数を減らすと言う話と摺り替えられてしまうのか
が不思議です。

ワクチンを毎年接種するというのが、一番簡便であって、かつ費用がかからな
いのですから、とりたてて説明されないというのは不思議ではありません。
疑問に感じているのなら主治医の先生に御質問下さい、おそらく同様の返答が
あると思いますよ。

第二次大戦後、犬や猫の避妊去勢手術が導入された際にも文化人と称する人々
がこれに反対しました。「犬や猫にも子供を生む権利がある」とか「自然の摂
理に逆らう所行である」とかがその理由でした。
一見、動物達の権利を守るかのように見えても、結果は、施設において処分さ
れる動物を減らすことの障害となっていますし、今でもこの理屈を述べる方は
おります。また、動物病院にとっても手術の必要性を訴え続けなくてはならな
い情況にあります。
ワクチンについても同様であって、接種率を考えれば、接種回数を減らしてよ
いと言える情況にはありません。病原体のキャリアーとなる犬や猫が徘徊して
いる限り、自分の動物は飼い主さんの手で守ってあげて欲しいです。

動物病院にとっては、むしろ、ワクチン接種率が低下して地域に感染症が流行
することの方が収入面からはプラスになるのではないでしょうか?
先々、どちらの意見が動物達にとって有益であるかを御一考願えませんか?


11月11日の HLさんへ
外猫を室内飼育するのは、可能です。私のところでもアパートの周囲をうろつ
いていた猫達を今現在室内飼育に転向中です。
もともと、避妊去勢が実施してあれば、そうそう遠方まで徘徊しているわけで
はありませんので、ワクチンや駆虫も確実に実施してから転向させればよいと
思います。
今からの季節ですから、外よりは室内の方が暖かく過ごしやすいのでタイミン
グはよいのではないでしょうか。

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