獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200312-97

ビーグル
投稿日 2003年12月11日(木)01時02分 はたの

>そらさん

 ビーグルは吠え声を楽しむためによく吠えるように改良されてきたイヌですんでねえ・・・

 いまは、「吠えるといいことがある」状態です。
 吠えたら出す、は吠えなさいと教えていることになります。つまりお望みとはまったく逆のことをなさっています。
 対策1。吠えていたら絶対に出さない。アキラメが付くまでの間は、いままで以上に吠えます。けれどアキラメてはいけません。おうちのかたはむろん、必要ならばご近所にもお知らせしましょう。
 対策2。吠えていない時に出す。
 出そうと思ってヒトが近づいたら吠え始める、のでしたら、吠え止むまでずーっとサークルのそばに貼りついていてください。

 「吠えたらいやなことがある」ちびさんの案も奏効する場合もありますが、確率としては対策1、2より下がりますし、こじれたりいじけたりするおそれが大きいので、併用は勧めません。
 咬まれた時に「痛いぞ、こら」みたいな、ヒトが体で自然に出来る「叱る」はまだいいんですけれど、頭で考えて行なう「叱る」は、かなり難しいんです。

 以上はサークルを使い続けるという前提のもの。

 サークルを使わないことにするのがもっともよろしいかと。そもそもサークルは仔犬の時に一時的に使うものであって、一生使うものではありませんから。
 サークルを使わなくすれば、サークルからでたいがために吠えることはなくなり、吠えると出してもらえる、というシチュエイションを生じさせないで住みます。
 吠えると言い分が通るもんだ、というように一般化してしまっていれば(7ケ月というと微妙)、他の要求の時にも吠えるかもしれませんが、既に完成している「吠える、出られる」をナシにするのが難しいのに対して、まだ完成していない「吠える、何何できる(餌もらえる、撫でてもらえる)」が完成しないようにするほうがずっと簡単なのです。
 つまり、対策1、2よりラクです。
 サークルを使いたい理由がおありなのかもしれませんが、イヌを買うということは、イヌに合わせてヒトの生活を変える、ということでもあります。またビーグルの吠え声は、将来の殺処分にも繋がりかねません。その重さに比べたら、ヒトの生活を変えるほうがよろしいかと。
 イヌが入ってはいけない部屋をつくるのはOKですが、基本的には空間を共有なさることを強くお勧めします。

 もうひとつ、骨格や筋肉の成長を見ながらですから、もっともっと運動させましょう。ビーグルは猟犬ですから、山の中でウサギを追いかけるようにつくられていますから、かなりの運動を必要とします。また、運動が不足すると太りやすくもあります。
 日に一回、場合によっては2回、帰ったら水だけ飲んでどてっと寝てしまう、ぐらいの運動を。行動矯正を試みている期間だけでも重点的に。基本的に疲れ気味のイヌがいいイヌ、です。

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