獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200401-166

F.Tさんへ
投稿日 2004年1月22日(木)18時02分 マリン

都内某区在住者で、一昨年から犬を飼っています。10ヶ月程、ご近所の評判の良いところへ行っていましたが、私としては先生のインフォームドコンセントと基本的な診療スタイルに不満足で、病院を変えました。

・・・というだけでは、漠然としてしすぎていると思いますので、ご参考までに以下少々長文になりますが、ご説明します。

後から判ったことですが、そのご近所の評判は「料金が安くて腕がいい」だったようです。その初老の先生は、経験は豊富(たぶん)、地域に根ざした少々頑固っぽい職人肌の方で、飼い主の訴えと患畜の様子から、その時彼が必要と考える部分の診察しかしないという診療スタイルで、例えば、体重測定、口腔内の検査、全身の触診等の基本診療は、初診時以外はほとんど行って下さいませんでした。そのかわり、尿検査は必ず行って下さり、料金も(基本診療分がないせいか)非常に安かったです。去勢手術もお願いしましたが、日帰り短時間、料金もご近所相場より安く、表皮を縫合しない方法で傷跡はキレイでした。もっと大きな病気とか怪我の時ならば、先生の経験が生かされ、本当の意味で「料金が安くて腕がいい」ことが実感できたのかもしれません。

しかし実際のところ初心者ゆえの些細な心配による質問はし難い雰囲気だったことと、実際にインフォームドコンセント不足から以下のような疑問や不満が残りました。

1. 基本診療は本当に必要がないから行わないのか、飼い主が要求しないから行わないのかが判断できなかったことと、そのために将来的可能性としての重大疾病時の診療スタイルまで不安を覚えたこと

2. 去勢手術時に関連して
2-1 麻酔等について事前の説明がなかったこと
2-2 手術前の健康診断(特に血液検査)が行われなかったか、行われていても報告のないこと
2-3 手術後に出された抗生物質を自宅で投与後、1−2時間で嘔吐したため連絡したところ「投薬中止」の指示だけで、他に具体的な指示はなかったこと
2-4 表皮の縫合をしないという方法自体が予想外だった上、それに関する注意事項や説明がなかったこと(家に帰って初めて気が付き、傷口が開いたのかと驚いて問い合わせたところ、「中は縫合してあるから大丈夫、気にして舐めるようなら明日連れてきて」とのことた)

3. フィラリア薬の初回時(時期は5月中旬、5ヶ月齢)が注射剤だったこと(その後は私があえて経口剤を希望)

4. 3ヶ月齢でのケンネルコフの診断時に、明らかな改善の見られた2−3週間の後、抗生物質の投与が2ヶ月半に及んだこと

私自身が人間用の製薬関係の仕事をしているため、一番気になっていたにもかかわらず、納得するまで聞くことが出来なかったのが、先生の投薬方針についての疑問でした。これが、一番大きい理由だったと思います。

今は、もっと若い先生ですが、治療方針を初めにきちんと説明してくれますし、飼い主を萎縮させるような雰囲気がないので、変わって良かったと思っています。

それと、前の先生は日・祝日はお休みが原則(緊急の場合はご自宅なので電話可能)だったのに対し、今度の先生は年中無休原則なので、土・日・祝日を気にする必要がなく、フルタイムの会社員にとっては時間の制約を感じないでちょっとしたことでも受診できることのも大きな魅力です。

あえて言えば、今の病院が夜間・緊急にどれくらい対応してもらえるかが心配なのですが(原則夜間診療なし。但し、入院患畜がいる時ならば病院に先生がいるので対応可らしい)、この点は、他の夜間・緊急対応の病院を探しておくことで対応しようと思ってます。

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