意見交換掲示板過去発言No.0000-200401-216
マルチレス |
投稿日 2004年1月26日(月)12時17分 プロキオン
1月25日の ワラビさんへ フランスへの子桜インコの同行について、ニューカッスル病のワクチン接種が 必要とのことですが、この病気は広く鳥類に感染性を有しており、我が国にお いても法定伝染病に指定されています。 病勢に関しても、弱毒から強毒タイプまで広くあり、その程度によって神経型 (脳炎型)や消化器型等、さまざまな症状が見られます。法定伝染病ですので 山口県における「トリインフルエンザ感染症」と同じ防疫措置や移動禁止が必 要とされる疾病です。このため、普通の養鶏農家であれば、数回に亘るワクチ ン接種を実施して、この予防に努めていますが、「一切の薬剤の投与をしてい ないことを売り物にしている業者」や「小学校等で飼育されている鶏等」では 、ワクチンの接種が実施されてまいせん。したがって、ニューカッスル病はま だ我が国から根絶された病気とは言えません。 なぜ、この点に触れているかというと、輸入国によって、輸入しようとしてい る当該の鳥が飼育されていた地域における過去のニューカッスル病の発生履歴 の公的な証明を求められることがあるからです。 もし、フランスにおいても、このような証明が必要であれば、地域事情によっ ては子桜インコは同行できない可能性もあります。 また、ワクチンは「不活化ワクチン」と「生ワクチン」がありますが、いずれ もその適応は鶏を対象として認可を受けています。それ以外の鳥への適応は、 飼い主と獣医師との合意に基づいての投与である必要があります。 # 飼い主の希望ですので、これはむずかしいことではないと思います。 問題は、先に述べましたように数回に亘る投与が必要な点です。書類上、形だ けの投与であって、抗体価が充分な量にまで上昇していなくても「可」とされ るのかです。 ニューカッスル病の未発生国であれば、ウイルスを持ち込む恐れがないと判断 されるでしょうから、形だけの投与でも支障はないように思います。 そもそもが、この病気のワクチンは複数回の投与が前提となっていることと、 子桜インコが罹らないためではなく、相手国へウイルスをもちこまさせないた めの措置として求められていることなので、充分な抗体を確保するための時間 的な余裕があるのかが気にかかります。 どの程度のワクチネーションを求められているのかを確認された方がよろしい でしょう。 もう1点。鶏を対象としたワクチンですので、包装の単位が1000羽単位に なると思います。鶏1羽に1回投与する量を1ドースとしますので、かなりの ロスが出ますし、生ワクチンであれば、滅菌後の廃棄措置が必要となり、一般 の家庭のゴミには出せません。 レース鳩の世界では、地区の役員さんがワクチンの希望をとりまとめたりして ワクチンのロスの軽減や廃棄の問題にあたっているそうです。 1月25日の るるさんへ 避妊手術が済んでいるのであれば、尿道炎や膀胱炎から疑っていくのが順序だ と思います。 1月25日の ゆっこさんへ 犬は追跡型の狩猟動物ですから、排泄物をどこでやるかには、あまりこだわり ません。むしろ、テリトリーやホームレンジにおける自己の存在証明として利 用するくらいです。 したがって、ここで排泄してはダメというパターンから入ると、どうしても理 解が遅れます。家庭犬の躾インストラクターの先生方によれば、まず排泄して も良い場所を教える、かつ、排泄した時に誉めてあげることから入ります。 基本はこれだけなのです。言葉では非常に簡単なことなのですが、犬と常に行 動を共にして、これを実行することは実際にはかなりの負担となります。根気 と愛情が必要なことなのです。 1月26日の ライムさんへ 私もときおり、これといった原因も見つからないのに血便をしてしまう子に遭 遇することがあります。 これと言った原因が見つからないと言いましたが、ハッキリとした血便なので すから、原因はやはりあるのです。私は凡そのところで免疫系に何かあったと 推測しています。ただ、学者でもないし、警察や探偵でもありません、現状へ の対処が仕事なので、そちらを優先しています。 ワクチンの選定については、お住いの地域にどのような疾病があるかによって 選択される必要があります。多価ワクチンであれば良いということでもなく、 必要なものが入っていないでも困ります。地域の疾病事情を考慮した上での選 択が必要なのです。 また、ショップで接種されている場合、かなりの頻度で早すぎる接種が実施さ れている可能性があり、接種済みと言われても免疫抗体を獲得できていない場 合が多々あります。このような例であれば、接種のやりなおしが必要です。 逆に生後半年も過ぎていれば、犬であれば、何回もの接種は必要ないでしょう。 9種が良くて5種が不十分ということでもなく、また回数の問題でもありませ ん。ワクチンプログラムにもとづいて、正しく接種する事が重要なのです。 ワクチンの接種時期と種類は、ひじょうに意味がありますので、漠然と接種し ていたのでは、お金を無駄にしていることもありえます。 1月26日の ゆあさんへ 「ととむさん」宛の書き込みへの横レスになりますが、X線撮影やエコーでは 麻酔は必要ありません。 また、こちらの掲示板では、特定の病院名(商品名も)は記載できないルール になっています。したがいまして、病院名については、直接メールでのやりと りが必要となります。 |
|
|
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」 ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴) サポーターや広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)、 多くの人々に支えられています。 獣医師広報板へのリンク・サポーター募集・ボランティアスタッフ募集・プライバシーポリシー 獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。 @mukumuku_vetsさんをフォロー
Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved |