獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200401-86

reまゆママさん
投稿日 2004年1月12日(月)22時28分 はたの

獣医師ではありませんがご参考まで。アトピー持ちです(私自身が)。

 まず最初に。Homeopathy ですから、ホメオ「パ」シーですね。

>効果もあまりなく、薬も日増しに効かなくなっています。

 きちんと指示された容量・回数を守っていてそうですか? ステロイドはなんとんとなく怖いからと勝手に減らしたりしていませんか?

 ホメオパシーは、残念ながら、万能の治療法とは考えにくいものです。ステロイド等に代表される現代的な医療の完全な代替にはなりません。
 「1日1個のリンゴは医者いらず」「トマトが赤くなると医者が青くなる」といったことわざがあります。リンゴやトマトを食べることによって医者にかからなきゃいけない機会は減るかもしれませんが、だからといって、万病を避けられるわけではなく、医者にかかる必要が生じることもあるわけです。

 ごく弱いアトピーなら、ホメオパシーなり、さまざまな民間療法を試すのも悪くはありません。かるい風邪なら卵酒飲んで寝とけ、みたいなものです。おマジナイだってどーぞ。
 が、
>気が狂うほど掻き血が出るほどです。
 なのであれば、必要なのは、ステロイド以外の治療法をさがすことではなく、「ステロイドを含めたあらゆる手段をしっかり使って痒みを押える治療法をさがすこと」です。
 風邪をこじらせて気管がゼロゼロいうの熱ケイレンが起きるのとなったら、卵酒やら喉にネギ巻くやらで我慢せずに、点滴でもなんでもするのと同じことです。
 
 ステロイドに害があるか。そりゃあります。が、全ての薬、薬に限らず健康食品でも健康法でも、主作用=効果があるものには必ず副作用=害があります。問題は主作用と副作用のバランス、比率です。この案配がまあ医者の腕ですね。
 が、いかに腕がよい医者が案配したって、副作用ゼロにはできません。
 そして、強い主作用が必要なときには、ある程度の副作用はしかたありません。
 
 痒みを治すのと、ステロイドを一切使わないのと、どちらが大切ですか?
 まゆママさんにとって。
 そしてご愛犬にとって。
 まゆママさんの希望と愛犬の希望(と思われるものと)と、どちらを優先しますか?


 もしもきちんと指示どおりに薬を使っていないのなら、それを改めることから。
 イヌでの研究は寡聞にして知りませんが、ヒトの小児では、入院中よくなったのが退院すると悪化する例が多く知られており、その主たる原因は、ハウスダスト管理などの他、きちんと薬を使わないこと、親が騒ぎすぎてストレスを与えること、です。
 きちんと指示どおりに使っているのに十分な効果が見られないのでしたら、まずは改めて主治医にご相談を。もっと本腰いれてもらえないかと。
 相談に応じてもらえないのなら、別の獣医師をさがしましょう。ただしホメオパシーだけを優先するのではなく、ステロイドを使わないという条件でさがすのでもなく、手段を問わない最大の治療効果のために。

 痒みでどうかなりそうな本人にとって、薬の長期的な副作用なんて知ったことではありません。いまのこの痒みがおさまるかどうかだけが意味を持ちます。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。