意見交換掲示板過去発言No.0000-200402-152
マルチレス |
投稿日 2004年2月18日(水)17時01分 プロキオン
2月17日の アイスココさんへ お書きになられている内容は、主治医の先生に相談なさることのように思いま す。 実際に診断していない者が軽々に意見を述べるのは、獣医師の場合は主治権の 侵害の可能性があります。1回の診察ですべてがOKということでもなく、飼 い主と獣医師がいろいろ相談しながら治療にあたっていくことは普通のことだ と思います。飼い主として気がついたこと、思い当たる事があるのであれば、 それは積極的に伝えるようにして下さい。 治療は獣医師だけが行うものではなく、飼い主といっしょになって実施してい くものですから。 2月17日の 心配性さんへ すでにtoroさんからのレスにありますように入手することはかなわないで しょうし、また、入手できても使用するべきではないでしょう。 半径30キロの防疫帯というのは、実際には異動禁止がかけられている間は、 何もできません。これは、家禽家畜の宿命であって、汚染されたものは全て死 んで貰うということなのです。 早い話がワクチンがあっても、30キロの外側の家禽のワクチンが優先され、 中のものは後回しなのです。ワクチンの在庫と接種する人間の労力に限りがあ りますので、防疫帯の外への病原体の拡散を防止して、疾病の防遏を図るとい う処置がとられるのです。治療や予防ではなく、疾病を封じ込めることが一番 の優先課題あのです。 それが、法定伝染病(トリインフルエンザは家禽ペストとして法定伝染病と規 定されています)に対しての処置なのです。 また、法定伝染病はその病原体を殺滅し、その上での清浄化が求められていま すので、汚染されている可能性のある物品(生きている死んでいるは問わず) はすべて処分される必要があります。 この時に病原体による汚染の有無は相手がウイルスであれば、ウイルスの分離 ではなく、抗体の有無でチェックされるのが普通です。もしも、トリインフル エンザのワクチンが入手できたとして、それが接種されていれば、抗体を保有 していることになり、それはすなわち、トリインフルエンザウイルスに汚染さ れた個体とみなされることになります。 家畜伝染病予防法にもとづく防疫処置を履行するうえでは、中途半端なワクチ ネーションというのは、かえって疾病を拡散させかねません。まず、殺処分な のです。病原体の封じこめに失敗して、疾病が拡散し汚染地が広がっていくよ うになって初めてワクチンの適応による防遏が検討されるようになります。 # 人間におけるワクチンの適応が一時的なものであるのは、日本が疾病に対 して「清浄国」という認識に基づいています。 犬猫の疾病については、「清浄国」とはいえず、「汚染国」なのでワクチ ンによる防遏が必要なのです。 したがいまして、トリインフルエンザについては、toroさんのレスのとお りなのです。 ウイルスの人間への感染は今現在のところ、さほど心配される必要はありませ ん。狂牛病の病原体のプリオンと異なり、熱処理によって完全に死滅させるこ とが可能ですので、食品を介しての感染の危険はまずありません。 家禽から人間への感染も日本では、相当に低い可能性だと考えます。むしろ、 今回の家禽への感染源は、私は人間が遺伝子状態のウイルスを感染することな く機械的に運搬したのではないかと考えています。 高病原性ウイルスの場合、渡り鳥や野鳥では、広範囲な移動の前に落鳥してし まっているように考えます。餌や園芸用の鶏糞あるいは人間の衣服等に付着し てという搬送の方が自然なように思えます。もっとも、これは私の私見にすぎ ませんが。 # トリインフルエンザウイルスは、今回の発生以前に国内に侵入しておりま すので。 法令殺、自衛殺に限らず、処分は今現在当該のお宅だけのはずなので、移動禁 止区域内の養鶏農家は、続発例が出ない事を願っているとことと思います。 2月17日の まいさんへ 「瞬膜炎」とのことですが、これはウイルス性鼻器官炎やクラミジア眼炎に附 随したものなのでしょうか? もし、単発のものであれば、それほど頻繁にくり返すこともないように思いま す。まず、基礎疾患の有無を確認してそちらの治療に専念する必要があるかも しれませんね。 また、それらの疾病とは系統が異なる疾病もあって、瞬膜の露出を伴うことも あります。あまりくり返すようであれば、すこし精査してみる方がよいかもし れません。 2月18日の レオンの母さんへ お書きになられている質問事項は、診断の上でないと意見を述べる事はできま せん。診察が必要です。 |
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