意見交換掲示板過去発言No.0000-200402-245
動物たちにとっての「人由来感染症」 |
投稿日 2004年2月29日(日)13時41分 福士秀人
鳥インフルエンザをきっかけに動物と人との共通の感染症に関心が高まっています. その中でいつも気になっていることがあります. それは「動物由来感染症」ということばです. この「動物由来感染症」ということばは誤解を生むように思います. この言葉の怖いところは 動物から人へという一方向だけを示していることです. 実際には 人が動物の病気を運んだり 人が動物に病気をうつすこともあることは獣医師であれば ほぼ常識としてしっていますから この言葉を聞いても動物だけを悪者にすることはないと思いますが そのような知識のない人たちは 一方的に動物を悪者にしています. これまでの感染症に関する調査でも 人が持ち込んだ病原体に動物が感染することがわかっています. 学校動物でも もし 子供や先生がインフルエンザになっていて 動物や鳥の世話をすると そのときに動物や鳥にインフルエンザをうつすことが考えられます.他の病気についても同様です. 動物との触れ合いをおこなっている動物園では 来園者に動物を触らせるときには あらかじめ手指の消毒をしてから 触らせています.これは人が持ち込む病原体から動物を守るためです. ですから 動物も「人由来感染症」により被害を被ることがあるということも多くの人に知ってほしいことです. 動物から人 人から動物という両方向の感染症の受け渡しについては 常日頃の衛生管理で対応できることなので 特別なことは必要ありません. もっと 動物の視点からの意見もでて 感染症についての理解を深めることができればと思います. |
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