獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200403-151

マルチレス
投稿日 2004年3月22日(月)12時36分 投稿者 プロキオン

3月21日の ミツさん
すでに2人の方からレスがついておりますが、私も支払うべきだと思い
ます。
1番の理由は、子猫をなんとかしてあげたいと考えたのは、ミツさんご
本人だからです。他の誰かの好意や善意を期待されたわけからではない
のでしょう。
2番目としては、動物は機械ではなく部品を交換して「はい、治りまし
た」というわけにはいかないからです。動物自身が具合の悪くなった部
品とうまくおりあいをつけながら生活していくことが一般的であって、
獣医師は、その補助をしているのにすぎません。
ミツさんの感覚から言えば、治療したのに治っていないではないかとい
うことなのでしょうが、根本的に治癒でないことは告げられているので
すから、今後の見通しとして予見されていた範疇のこととなります。

肛門から直腸の一部が突出しているというのは、子猫においては、遭遇
することはしばしばあります。まして、捨て猫であれば、なおさらです。
下痢が誘因ということなのでしょうが、この場合、消化管の過度の蠕動
を抑制する薬剤は存在しますが、獣医師の世界では、幼弱な個体への投
与は禁忌とされています。
一部は運動が抑制されても、別の一部では活発に蠕動が起きたままであ
って、腸重積を医原性に引き起こすことになりかねないからです。かか
る事態の発生よりは下痢の方が、はるかにましということからです。

其れ故、直腸粘膜の壊死を防ぎながら、根気よく治療を継続していこう
とする方針には、少しも違和感は覚えません。
逆に最初から1回で完全に治せと言われたのであれば、私でしたら、治
療を引き受けることはできません。他の病院へ行って下さいになります。

獣医療にかかわらず、医療における治療と機械の修理とは同一には語れ
ません。そちらを例として挙げるには、妥当性を欠いていると思います。
原因は獣医師ではなく猫本人にあり、保護してしまったからにはミツさ
んがその猫の飼い主なのですから、治療を望むのであれば、支払い義務
があります。
むろん、獣医師に治療上の落ち度があれば、支払い義務はありませんが、
書き込みを読む限り、猫側に帰趨すべき内容と受け取れました。
このようなケースは、しばしばあり得るケースなのです。疾病内容に対
して、獣医師の治療に対する期待が大きすぎたということになるのでは
ないでしょうか?


3月21日の さくらさんへ
獣医師の診療料金は、自由診療でないとならないとされています。
したがいまして、歯石の治療費にかぎらず、治療費はすべて個々の病院
によって異なるということになります。
また、獣医師法や獣医療法において、動物病院の広告事項は、かなり厳
しく制限されていて、診療代金は広告してはならない事項になっていま
す。
だいたいの目安として知りたいということなのだと思いますが、その場
合は、飼い主さん同士でのメールでのやりとりを希望するようにして下
さい。


3月22日の やまきちさんへ
所謂「先父遺伝」の心配ですね。以前にも、同じ質問が出ていますので、
過去ログにレスがあります。
この掲示板には、過去ログの検索機能が付いていますので、過去のレス
を見る事ができますよ。結論だけ言えば、「問題ない」です。


3月22日の マリンさんへ
マリンさんの質問も つい先日あったばかりですが、同じ方ですか?
何件かレスがついていたはずです。
耳が立つ、立たないは、個体の問題なので、正確な予想は本人を見て
いないと難しいです。見ていても予想が裏切られる事もありますしね。



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