動物実験に関心を持たれるかたが増えるのはよいと思うのですが、せっかくご関心を持たれたのですから、パッとめについた情報を鵜呑みにせず、もう少し調べてみることをお勧めします。片方の言い分だけではバランスよく物事を見るのは困難ですから。

　動物実験をやっている側のサイトもありますし、本もあります。難病に苦しむひとを救うために質の高い実験動物を安定して供給しようと努力を重ねたかたの伝記とか。
　現在の動物実験のルールも調べられるでしょう。いまやほぼすべての学会、研究施設には、３Ｒ（代替、洗練、数を減らす、の英語の頭文字）を踏まえた倫理基準があり、むやみに残酷なことは出来ないようになっています。

　そして物事には当然オモテがあればウラもあります。倫理基準に合致しない実験がまったく行なわれていないという保証はありません。また、ある一定の数が必要なのにいろいろな都合で揃えられず、信頼できる研究成果が出ず、結果として動物の生命が無駄になってしまうということもあります。動物実験反対運動が動物を揃えられない理由になるといった皮肉なことも生じています。

　動物実験に反対する側にもウラがあります。掲示されている画像が動物実験のものではない、倫理基準が未成熟だった昔のものである、実態と掛け離れた解説をしている、といった指摘もあります。社会運動・政治活動となってしまえば、組織維持のために誇張が行なわれるというのは他の分野と変わりません。特に告発型の活動の場合、意図的な誇張の他に、原理主義的に歌劇になっていくというのはしばしば見られる傾向ですから。

　幅広い情報に接せられることをお勧めします。