意見交換掲示板過去発言No.0000-200404-80
RE:大型犬の避妊手術後についてご質問 |
投稿日 2004年4月12日(月)21時55分 投稿者 Big 1
犬がレトリバーであることと、手術から数週間が経過しても治癒しないとのことから、 通常の血腫ではなく、被嚢化血腫とよばれる特殊なものの可能性があるように思います。 (診たわけではないので、あくまでも可能性です) 被嚢化血腫は、手術時の止血不良や血管破綻が原因の通常の血腫とは違います。これだと すると、手術の不手際とは関係ありません。原因として、エーラス・ダンロス症候群との関係や、自己免疫との関係など、いろいろな可能性が推測されてはいますが、確定的な原 因はつかめていないようです。ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーで多くみ られるようです。私は、アイリッシュ・セッターでの発症経験もあります。 手術時の切開や外傷だけでなく、注射や打ち身など何らかの物理的刺激が原因で始まり (この点は通常の血腫と同じ)ますが、貯留液は血液よりも炎症性浸出液に似た性状の漿 液が多く、さらに貯留した液の周囲に強固な膜を形成(被嚢化)するため吸収されず、い つまでも腫れ続けるという特徴があります。単純に切開して排液しただけではすぐにま た液が貯まってしまい、解決にはなりません。 被嚢化血腫であれば、局所へのステロイド注射またはステロイドの全身投与で改善して います。 |
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