獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200406-278

Re.ツバメのヒナ
投稿日 2004年6月28日(月)22時25分 投稿者 チーママ

健多さん ツバメさんは元気ですか?
保護してからどれくらいになりますか?
餌は何を与えているのでしょう?
ビタミン不足が心配なのですが、その辺りは
だいじょうぶかしら?

さて、ツバメのヒナは飛ぶことはできるようになります。
餌のとり方は、餌が豊富なところならなんとかなるでしょう。
ただ、渡りの仕方は仲間がいなくては無理です。
おそらく健多さんが保護しているのは一番子でしょうから、
たくさんツバメがいるところへ放野すれば、渡りの時期まで
には飛ぶ力もついて、渡っていく可能性もあります。
そのためには、いつまでも手元に置いていてはいけません。
そうでなければ、動物園に引き渡すのが一番かと。
どこでもやっているのかは知りませんが、昔3年続けて保護
したときは、巣立ち前(つまり飛ぶ前)に動物園へ渡しました。
その動物園では、放野して渡らせるのは親がいなくて難しい
という事で、時期になると船便で越冬地へ連れて行っていたよ
うです。南の地でしっかり大人になり番になれば、次の渡りが
より安全に行えるからという事でしたよ。
また動物園にはたくさんのヒナが保護されていて、それらが
小さいなりに群れになる事も考えられました。
人になつくのが早くて、朝早くから「ゴハンちょーだい!!」って
鳴く姿は本当に愛らしいものですが、ツバメさんの一生を考えたら
早く専門のところへ連れて行ってあげたほうがいいでしょうね。
親が与える餌は豊富で、微量な栄養素が違います。
素人の私達が与えることができるのは、せいぜいがビタミン液に
浸したミルワームくらいでしょう。それだと丈夫な体は作れません。
微量な栄養素が、実はしっかりした足や翼や胸を作るカギだったり
するのです。その辺りが、素人では与えられないのですね。
もっとも最終的には「その子の運」に尽きると思います。
せっかく健多さんが保護したヒナですから、無事に南の国へ飛んで
いけることを祈っています。

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