意見交換掲示板過去発言No.0000-200409-195
RE:教えてください |
投稿日 2004年9月19日(日)21時10分 投稿者 プロキオン
9月19日の アルエさんへ いらなくなったフィラリアの薬って、くれた方のところでは犬が死んでし まったのですか? フィラリア予防薬と呼ばれている薬は、実のところ予防薬ではなく、感染 子虫の駆虫薬です。今現在犬の体内に侵入している子虫を殺すための薬で あって、服用後2〜3日の間に不活化されて体外へ排泄されていきます。 1ヶ月の間体内に留まって効果を発揮しているわけではありません。 したがいまして、気温が低下してフィラリアを媒介する蚊の活動が弱まる 今からの時期こそが、「感染の成立」を防止するためには重要な意味を持 つ時期なのです。 感染の成立を防ぐためには、蚊の活動がみられなくなってから、さらに もう1回の服用が必要なのです。 ですから、まだ9月の時点で、薬がいらなくなるというのは、いささか唐 突すぎますし、当該犬が死んでしまったとしか、不要の理由が思い付きま せん。 もし、服用の期間を誤解してのことであれば、ぜひとも本当のところを説 明してあげて薬を返してあげて下さい。 また、記載されていた薬剤の名称から判断して、薬剤の有効期間が切れて しまっているものであれば、これはどういうものでしょうね? あまり他人にあげるべきでもないように思います。また、いただいた方で もありがたがるまでもないように思われます。 # パッケージなしで、中身だけなら、有効期限は不明ですが。 そして、御質問の体重に対する服用量についてですが、メーカーにおける 安全性試験の範囲内にはおさまっていると考えられます。 しかし、この薬は要指示薬に相当し、獣医師の指事や処方の下でしかとり あつかってはいけない薬剤です。 毎年、服用シーズンになると血液検査を実施した後で服用するように指導 されていると思いますし、犬の飼育書でもその点を記載しているはずです。 これは、フィラリア予防薬が発売された当初、いきなり服用して死亡する 犬が続いたためです。 犬にとっては、本当に必要なお薬ですから、簡単にそして安全に服用でき るようにと改良されてきていますが、やっとここまできた薬であり、これ からもっと改良されていかなくてはならない薬なのです。 過去にも無診療にもとづく通販があって、逮捕された者達がいましたし、 こりずに今年もフィラリア予防薬の通信販売で逮捕された者がいます。 おそらく、そこまでの意図はなかったのでしょうが、いらなくなったから あげるというのは、薬事法にも獣医療法にも抵触してしまいます。 もらった薬剤がパケージに入った状態であったら、そのパッケージを御確 認下さい。「動物用医薬品」「要指事」の注意書きが記載されているはず です。 これは、飼い主同士の安易なやりとりを法律が認めていないことを意味し ています。処方薬というものは、処方されたものが指事のとおりに服用す ることを前提にして患者に渡されます。 患者(この場合、飼い主)同士のやりとりで、服用すべきものではありま せん。 どうせ同じ薬ではないかという意見も中にはあるかもしれませんが、それ はメーカーが事故が起きないように、より安全にと努力している結果です より安全であるように努力しているものの努力を逆手にとってのことであ れば、それは筋違いというものです。 アルエさんにとっては、今まで服用していたのと同じ商品であって、用量 違いというだけのことなのでしょうが、今述べたような問題があることは 御承知置きください。 そこから先は、アルエさんの心意気次第とでも申しましょうか…。 |
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