意見交換掲示板過去発言No.0000-200410-31
マルチレス |
投稿日 2004年10月3日(日)12時05分 投稿者 プロキオン
10月2日の みんちゃんへ 「ペローシス」の中の「アキレス腱脱腱症」ということになるのでしょう か。 簡単に言えば、キツイ表現に感じられるかもしれませんが、飼育管理失宜 に相当します。動物の体においては、全ての組織や器官が同じ速度で生長 していくわけではありません。骨の骨化生を伴う生長と筋肉や靱帯の生長 速度は異なります。 この場合、筋肉やアキレス腱の生長速度の方が、踵の骨の生長よりも速く アキレス腱をいれている骨の溝が充分に生長していないうちに、脚に強い 力がかかるようになって、アキレス腱が外れてしまうのです。 管理失宜と申しましたが、給餌している餌のカロリーが高すぎるのです。 鶏のブロイラーのようにできる限り早く増量を期待して配合されている餌 であれば、まずは、職業病ともいえる情況があります。 「肉」にする気が無く、家庭でペットとして飼育するつもりであれば、ア ヒルに限らず、鳥類は栄養を抑えてしいくすることが健康に飼育する秘訣 といえます。 栄養過多も疾病や疾患の原因であることを飼育者は認識する必要があると 思います。 #「踵の骨の溝」と表現していますが、頭の中に絵を描きやすいように意 図的に言っております。正確にはアキレス腱靱帯と骨膜の癒合付着部位 のことです。 骨が彎曲してしまっていたり、骨膜ごと剥離してしまっている例もあり ます。 10月2日の たまごさんへ 放射線取扱主任者の免許をもっているからといって、何か開業に際して、 有利であったと感じる事はなかったです。 小動物診療の分野においては、放射線を用いた検査や治療というのは、こ れからの分野ですからね。国内でもその分野に進出している病院は極めて 少数です。大学病院でもまだまだです。 資格の取得も難しいですし、何に増しても機械が異常に高額であって、 法律による施設基準や規制が、かなり厳しいのです。とても個人商店の手 が出せる水準ではないのです。 それでも、核医学の研究が進んで私達のレベルでも扱えるようになると、 検査や治療でも、まったく違う世界が開けてくると思いますよ。獣医師広 報板には、「獣医師フォーラム」がありますが、以前そちらのお世話係り さんというか、ボードリーダーをされていた先生が、その夢を語ってくれ たことがありますが、異次元の世界に近い感があります。そのくらいに進 んだ力を手にする事になるのです。 田口先生へ 私の場合は、百科事典を読むことから始めました。その後で、高校時代の 物理と化学の教科書へ進みました。 肉眼で見ることができない世界の話なので、本を読んでも実に頭に入りま せんでした。 一種と二種では扱える形態と線量い違いがあるのですが、医師や歯科医師 になると、「一種」の主任者に選任することが法律で認められており、獣 医師にはこれが認められていないという法の上の不平等があります。 薬剤師には、限定の条件下ではありますが、これも国家試験に合格してい なくても取扱主任者に選任できるケースが認められています。 獣医師は、随分冷遇されているなと悲しくなったものですが、放射線を扱 う人達から見ると、医者ほど放射線を甘く見ていいかげんな扱いをしてい る者はないという意見であって、医者があれ程見下されている世界という のも珍しく感じました。 今では、やはり放射線については、きちんと専門の勉強をした者が取り扱 うべきではないかと考えています。茨城の臨界事故があってからは特にそ のように思います。直接、目に見えないうえに許容線量を越えた被爆が発 生したら、復元も取り返しもつきません。 通常のレントゲン撮影を気にする者もいる反面、余計な被爆に無頓着なの もこの業界の特徴かな? 大学生のうちにしっかりとした教育が実施さ れていたらと思います。 10月3日の hiroさんへ 蠅の幼虫は、主として壊死した組織を食べています。まず、炎症があって 弱った皮膚組織、死んでしまった皮膚や皮下組織を食べているのです。 そのためか、創傷の治癒は私達が考えているのよりも、かなり早くスピー ドで進みます。 外科的にも、壊死組織は切除してしまうのが基本です。ものの本には中世 には、化膿してくさった傷口に蠅の幼虫をたからせて、傷口をきれいにし てから治療したというようなことも記載されていたようです。と、まあ、 この辺までは慰めです。 実際のところとしては、蠅の卵を産みつけられるような炎症を気づかずに 放置していたことは、あまり誉められませんよ! 蠅の幼虫は、まず皮下組織に留まって寄生しているはずですので、あまり 体腔内への侵入は心配なさらなくてもよろしいと思われます。あまり乗り 気のしない仕事ですが、動物病院であれば、ちゃんと処置してくれるはず です。 また、このような症例というのも、残念ながら少なからず持ち込まれる症 例でもあります。自分だけのことではないと安心せずに これからは気を つけてくださいね。 10月3日の シーズーさんへ 私は飼い主さんは綿棒を使わない方が良いと考えています。多くの飼い主 さんは汚れをとることに夢中になりすぎて、耳道の皮膚を擦りすぎて物理 的な炎症を引き起こしてしまっていることに気がついておりません。 また、手技としても汚れを耳の奥へ押し込んでしまっているように思いま す。 飼い主さんであれば、イヤーローションの使用の方が適切であるように考 えます。耳の掃除は相当にデリケートに扱うべきでしょう。 綿棒の綿花(綿球)がとれてしまう程には、やるべきではありません。で きるだけ早く病院へお出かけ下さい。 |
|
|
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」 ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴) サポーターや広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)、 多くの人々に支えられています。 獣医師広報板へのリンク・サポーター募集・ボランティアスタッフ募集・プライバシーポリシー 獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。 @mukumuku_vetsさんをフォロー
Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved |