獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200412-247

クローン
投稿日 2004年12月29日(水)12時38分 投稿者 はたの

「現時点では」(体験が寄与する)性格はもちろんのこと 毛色でさえ オリジナルと同じにはなりません.というのは 「どんな遺伝子セットを持っているか」は制御できても 「その中のどれが働くか」は制御できないからです.
 しかし 後天的要素が絡むものは別として 遺伝子制御であれば 寿命を含め いずれ技術的に解決しうる可能性があります.
 オリジナルの情報としては完全なセットが要りますから 焼いてしまっていたり 毛だけではクローン作りは困難です.これはおそらく将来でも.
 
 純血種の改良にどうかに関しては 所轄団体の考えによるでしょう.人工授精さえ認められていないサラブレッドなどあるように.そうした制限がなければ 非常に有効でしょう.個体のコピーが欲しいにせよ 品種改良に使うにせよ アレルギーフリーのネコの生産にせよ 需要はある程度ありそうですね.
 そしてマーケットが資金を出して技術が進めば 希少野生生物への応用もラクになるという側面もありますね.日本産トキの細胞を懸命に冷凍したのも 将来への伏線ですし.

 個人が自分のペットのクローンを望むかどうか またクローン技術を倫理的に認めるか否かに関わらず 発達していくだろうと予測(特に望むわけではありませんが)しています.
 新技術は当初は既定倫理から攻撃されますが メリットが大きくなるにつれ たいていは倫理が技術に合わせて変化するものですから.中長期的には普通のことになり うまく向き合うための新たな倫理が生まれるのでしょう.

このあたり 日経サイエンスに時々記事が出ています.

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