意見交換掲示板過去発言No.0000-200501-164
Re.ウサギの半身不随 |
投稿日 2005年1月20日(木)20時13分 投稿者 山下 貴史
ゆっこさんこんにちは。通りすがりで読んだ一獣医師ですが参考になればと思いました。両先生が丁寧なお答えをされているので、野暮な感じかもしれませんが参考程度に思ってください。厳しいことも書いてしまいますが、お許し下さい・・・。 <脊椎について> まず、脊椎についてですが…もしも、手馴れた獣医師であれば(ヘタすると悪化させるので深追いはしないほうが良いかもしれません)数回角度を変えたレントゲン撮影を行なってもよいかもしれません。圧迫骨折や斜め方向の脱臼はうさぎさんではかなり発見しづらいこともあると思います。そして、もし腰椎の4・5番目での椎間板ヘルニア(?)などの可能性を考慮すると、できるだけ早くにステロイド剤の静脈等への投与をすることが良い場合もあるようです(できるだけ24〜48時間以内ですが・・・)。しかし、中には適切な処置がなされたにも関わらず数日で急変〜お亡くなりになることもあります。 積極的に病変の発見をなさるならば、脊椎造影をうさぎさんのサイズによってはできるかもしれません。(が、全身麻酔が必要ですし、オススメはしないかもしれません) 場合によっては、椎体の固定などの積極的な外科をすることもあるでしょう。(これまた、程度によりますが正直難しいです!!) しかし、うさぎさんは排便に関しては、脊椎損傷を受けても若干の便秘になるかもしれませんが、神経の構造上困ることは少ないかもしれません。ただ、盲腸便を食べられないので、見つけたら食べさせてあげることやビタミン剤を使用することは忘れないで下さい。 排尿に関しては、もし自力で無理ならば、かかりつけの獣医師に圧迫排尿を教わってください。一生涯にわたる場合もあります。そして、尿が漏れることもあります。その際は蒸れることから起こるの皮膚炎をおこすことが多いです。そうなってしまうとケアが大切です。(というかけっこう臭いです・・・) そして、気になるのはマッサージですが、もしもレントゲン撮影で写らない異常がある場合や痛みのある場合は、マッサージ自体やリハビリがストレスになることもあると思います。マッサージ中にお亡くなりになることもあることを知っておいてください。僕ならば、状態を見ながら(神経学的検査)、単にケージレストと給餌(強制給餌?)で経過を追うかもしれません。状況が分かりませんが、食欲や体重が落ちてくるのであれば、鼻からのカテーテル留置からの流動食を使える場合もあります。薬もカテーテルから入れられるので便利な反面、当院の場合エリザベスカラーをするのでストレスもあるかもです。もちろん、食欲があるならば体重をチェックしながら様子を見る手もあります。PEG(胃チューブ)はうさぎさんでは行なったことはありませんが、鼻からのカテーテルは全身麻酔も要らないので、比較的行ないやすいかもしれません。 <前歯について> それと、口のほうですが・・・こちらも気になります。期待通りに後躯不全麻痺で維持ができて、車椅子などを使えるくらい元気になったとします。すると問題になるのは口というか歯です。おそらくは不正咬合になります。歯の根っこに強い力が加わることや、欠けた部分の下の歯は上の歯に出会わないので勝手に伸びてしまいます。で、歯の生える方向が変わります。するとあさっての方向に伸びてしまいますので、定期的な切削が必要になると思われます。 ところで・・・上顎の骨折はありませんよね? 最後に・・・うさぎさんはご存知の通り痛みやストレスに弱い子達が多いです。つまり、動物病院までの移動(揺れ)や検査・治療・強制給餌・リハビリ・・・全てが死に直結することがあります。丁寧に扱いすぎて悪いことはありませんので、慎重に。 あとはかかりつけの先生とよく相談されるとよいのではないでしょうか? がんばってください!! |
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