獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200501-22

Re:犬の生理について
投稿日 2005年1月7日(金)02時46分 投稿者 パールちゃん

さくらママさんへ。
「動物よくある質問」のほうでも書きましたが、
イヌの発情を『生理』ととらえるといろいろな誤解や認識違いが生まれてしまいます。
イヌの場合はあくまでも『発情』です。
人間の『生理』と比較したり同じ感覚で考えないほうが正しくイヌの心身の仕組みを理解することができますよ。
たとえば、「昨日うちの犬の生理が始まりました」という場合、
それは出血に気づくからだと思います。
でも、すでに何日の前から出血はあるけれど、人が見ていないときにペロッと舐めとっているかもしれません。
目で見て確認しやすいので、ついつい出血があるかないかにばかり気を取られてしまいますが、
出血があるのはイヌの発情期間のうちのほんの一部の期間だけのことですし、
出血がまったく見られなかったり、ごくごく少しだったりする発情もありますから、
出血の有無だけで判断していると思わぬ妊娠に至ってしまうことがあったりします。
そういう意味も含め、イヌの発情を生理ととらえないほうがいいと私は思うのです。

ですので、
> ところで生理中でも妊娠するんですよね?
> 生理になってからどの位の期間、オス犬との接触を気にしなければいけないのでしょうか?
という質問は、ん〜、なんというか、、、的ハズレな質問なんです。
「生理中」というのが「出血が見られる間の」という意味なら、
まったく妊娠の可能性がないわけではありません。
が、いちばん妊娠しやすいのは、出血が終わりかけた頃または出血が終わってからです。
この期間いちばんメスはオスを積極的に交尾に誘います。
でも、上記で書いたように出血の有無はあまりアテになりませんから、
出血が終わりかけた頃または出血が終わってからという目安はなんとなーくの目安でしかありません。
「生理になってからどのくらいの日数注意すればいいのでしょうか」も、
出血に気づいた日を生理になった日と決めるのは間違いですから、
基点がはっきりしない以上は日数で数えることはできません。
つまり、いつ発情が終わったかを判断するには犬の様子で判断するしかないのです。
自由にオスに近づける飼い方をしていて、メスもオスも双方に関心を示さなくなったときが発情の終わりです、としかいえません。

発情後期のいちばん受胎しやすい期間の長さにはものすごく個体差があります。
2〜3日間だけ必死にオスの前でお尻を見せて、そのあとはきれいさっぱりオスに関心を示さなくなる子もいれば、2週間にも3週間にもわたってオスを追いかけまわすメスもいます。

何度かイヌの発情をよく観察してみれば、陰部の状態、食欲、おしっこの回数・場所・色・量、睡眠の変化、飼い主への接し方などで、発情が始まったことや終わったことがわかるようになります。

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