獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200501-64

マルチレス
投稿日 2005年1月10日(月)17時07分 投稿者 プロキオン

1月9日の ゆうさんへ
創傷の処置ですが、人間のお医者様は洗浄して消毒はなしで、乾燥させな
いようにとのことでしたか。
再生医療の考え方からかもしれませんね。傷口に滲出してくる再生物質を
大事にしたいということになると滲出益を拭い取ってしまったり、乾燥さ
せたりは、できる限りやりたくないところです。
ですが、身体の中であれば、その理屈が通りますが、体表の傷であれば、
やはり洗浄だけでなく消毒もした方がよろしいでしょう。消毒薬が傷口の
細胞成分を損なうというのであれば、洗浄液に抗生物質を混入しておくこ
とが必要です。
で、実際の動物の場合ですと、創傷からの滲出液とうのは、血液に限らず
動物なら自分で舐めてしまいます。この舐めるという行為自体が傷の治癒
機転である肉芽組織を傷める行為に他なりません。舐めることによって傷
口の汚れは落とせますが、傷そのものの治癒は遅れます。
動物においては、創傷の保護は、まず第一に考えられなくてはなりません。

人間においても創傷の治癒機転として起こる一連の作用は、滲出液による
創傷の痂皮形成があります。滲出液によって痂皮(瘡蓋)を形成して、そ
の下において無菌的な肉芽組織を形成させ治癒を図るものです。
これには、創傷に蓋をして感染を防ぎつつ組織の再生を意図するものです。
体液で濡れたままの状態というのは、体表においては感染が起こりやすい
ことになってしまいます。
( 濡れたままというのは、血液や滲出液が漏出し続けているということ
であり、実際には問題となります。普通は、そこまで行く前に、傷口の乾
燥化が進んで止まってしまうということです。
換言すると、体表の創傷であるのなら、痂皮形成のための乾燥化は治癒機
転の中に組み込まれている事になります。)

本当に表面だけのかすり傷だけなら、それでも良いのですが、動物の傷と
いうので、病院のやっかいになる傷は、「皮下組織にまで達している」の
が普通ですし、被毛というものは、細菌がついていないわけはなく、最も
汚れたものなのですから、洗浄だけでなく消毒も必要ですし、できるかぎ
り早く傷口の乾燥化を図り、動物が舐めようとする衝動を抑制する必要も
あります。

# 再生医療の研究においては、無菌的に温存されている皮下の損傷であ
  れば、そこにある血液や滲出液を取り除かない方が治癒の促進が図れ
  るということのようです。
  この条件があてはまるかどうかということだと思います。


1月9日の リッキーさんへ
5歳ということであれば、寿命というのには早すぎるように思いますので
何らかの理由が存在していたと考えられます。
原因は、やはり剖検にまわしてしらべないかぎり、究明はむずかしいでし
ょう。


1月9日の kentokunさんへ
左脇の脂肪の塊が、当て推量ではなく、検査の結果であれば、文字どおり
脂肪なのでしょう。脂肪の塊であるのなら、「癌」とは言えません。
検査にもとづかないでの「脂肪」という推量なら、検査をした方がよろし
いでしょう。


1月9日の ゆうこさんへ
同じ時期に飼育を始めていても、個体差がつくことは不思議ではありませ
ん。
むしろ、今食欲があるということは、水温がそれなりにあるということな
のでしょうか。爬虫類、両生類、魚類等の場合は、彼等をとりまく水の環
境が極めてものをいいます。
私は、その方面には疎いので、他の方のレスをお待ち下さい。


1月10日の ひろみさんへ
こう言い切って言ってしまうのはいささか問題がありますが、「栄養不良
」ではないように思います。
姿勢制御というか、その方面の反射を調べることで、神経系の異常をチェ
ックしてもらった方がよいように思います。これについては、特別な機械
は必要としませんから、どこの病院でも実施というか評価することはでき
るように思います。
その上で、必要であれば、遠くてもCTやMRIの検査を検討されたらと
思います。


1月10日の まさやんさんへ
フィラリア症を疑うというと、予防されていなかったのですか?
単に食べないというだけでは、フィラリア症とは結び付ける事はできませ
ん。心配なら、病院で診察を受けた方がよろしいでしょう。


1月10日の ミュウさんへ
子猫のときからのようですから、おそらく副鼻腔炎を慢性化させてしまっ
たのではないでしょうか。慢性化したものは相当にしつこく軽快したよう
に見えても副鼻腔の中に膿性の鼻水を溜め込んでいるものです。外見から
の判断だけでなく長期間の抗生物質の服用が必要になります。

また、漢方薬を「副作用がない」と受け取られているようですが、漢方薬
にも副作用はあります。人間の方でも死亡事例はときおり報告されていま
す。
動物においては漢方における「証」の確認が人間のように明確には、わか
りませんし、当該漢方薬と「証」が合致しなかった場合は、薬効ではなく
ほとんどが副作用となりかねませんし、またそのような場合、本人が医師
に異常を訴えることができません。
この2点は御承知の上での服用をお願いします。「証」があっていない場
合の長期間の服用は、むしろ危険ですので。


1月10日の たろ☆はなさんへ
ずっといっしょにいたので、雄犬の気持ちに盛り上がりがいまひとつ欠け
ているのか、あるいは、単にどうしたら良いのかまだ分からないのではな
いでしょうか?


1月10日の hiroさんへ
私の経験からでは、避妊手術程度の麻酔で顔面麻痺が生じるとは思えません
んし、また逆に何も思い当たる原因なくして左右の瞳孔の大きさに差異が
生じて眼瞼が閉じなくなってしまった猫もおります。
その猫の場合は、角膜や結膜が乾燥しないように点眼はしておりましたが
他には特に処置はしませんでしたが、改善しました。飼い主によると以前
にも時折そのようなことがあったとのことでした。


1月10日の やよさんへ
犬や猫等にとっては、入浴というものが結構疲れることのようですよ。
ワクチンとして病原体を体内へ入れたわけですから、できうるかぎり疲れ
させないようにして体力の消耗を防ぐという意味があります。
また、入浴させて、よく拭き取らずに風邪などのもととなってしまっては
本末転倒といえます。
入浴させてはいけないというよりも、わざわざ、ワクチン接種に合わせて
入浴させる理由がないというべきかもしれません。



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