意見交換掲示板過去発言No.0000-200501-88
フェレット |
投稿日 2005年1月13日(木)00時48分 投稿者 はたの
横レス失礼。 きわめて雑駁にいってしまいますが。 フェレットは家畜化されての歴史はそれなりに長いものの、ネズミ駆除としてはネコに有用性で負けるわけで、家畜として使い勝手がいいのは穴に潜ることのみ、になります。パイプに紐を通す用途などもあったようですが、多くの個体がそのためだけに維持されたとは考えにくく、つまるところ、ヨーロッパアナウサギ生息地(人為分布含む)でその駆除・狩猟用として維持されてきたものでしょう。 コンパニオン/ペットとして、長寿が期待されるようになったのはごく最近と考えて宜しいかと。家畜で、かつ高度な訓練を施してというより本能を利用した使役法であれば、短命であっても世代交代が簡単なら差し支えないわけですし、使役中の損耗が多ければ短命はクローズアップされることもありません。 オリジンないし中途でボトルネック効果があった可能性と、長命向きの選択が弱かった可能性、それにイタチ科が全体的に食肉目の中では「原始的」でどちらかといえばr型の繁殖戦略(多産、多死、短命、仔一個体あたりへの親の投資が少ない)を取ることを考えあわせれば、平均寿命が短くても不思議ではありますまい。 去勢・避妊して特定個体の長寿を願うのでなければ、イヌにおけるフィラリアが問題とならない(8歳10歳で死ぬのなら世代交代しつつ個体群維持の障害にはならない)のと同様に、免疫上の理由でフェレットが3〜5歳で死んでも差し支えないわけですから。 あるいはプロキオンさんのご見解が国内および北米のものを前提としているのなら、アメリカで実験動物化→ペット化される過程でファウンダーが少なく、何かの問題を秘めていたことも考えられます。現役で狩猟に使役されているヨーロッパのフェレットはまた違うのかもしれない、ということです。避妊・去勢率が少ないから(雄は無去勢だと大きくなりすぎてアナウサギを追い出すのではなく穴の中で噛み殺し、その死体が邪魔で出られなくなって、ヒトが掘り出せないと死ぬリスクがある故に繁殖を狙わないなら去勢、雌はそのリスクと無関係なので避妊せず、が多い由)かもしれませんし、腫瘍云々と直接の相関があるとも限りませんが、あちらで見た何頭かは国内で見るものよりはずっとたくましかったですし。 国内に入ってきているのは個体・情報とも、アメリカの商業ファーム経由のものが多いようですので、ヨーロッパの情報を当たってみるのも一案かもしれません。イキリスで当時一番生産数が多いというブリーダーのおばあさんに会ったことがありますが、完全無加温、エサは野生のアナウサギの生のみ(害獣として農場で撃たれたもの)、だそうで、常識やら前提やらからして随分な差がありそうです。 |
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