獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200503-129

マルチレス
投稿日 2005年3月17日(木)19時27分 投稿者 プロキオン

3月14日の じょうさんへ
13歳の雌猫で、「うっ血性心不全」という診断であって、隔日で胸水
と腹水を抜いているという状態であれば、助言できることは、あまりな
さそうです。
しかし、隔日というと2日に1回抜いているということになりますよね。
よく体力が続くという印象もありますが、それほどまでに胸水が貯留し
てしまうのでしょうか?
いささか違和感をおぼえるのですが、そこまで進行しているのであれば
かなり重篤な状態のように考えられますが。


3月14日の あずきんさんへ
学部として「獣医学部」が存在するのは、北海道大学だけでして、それ
以外の15の大学においては、農学部あるいは生産資源学部の中におけ
る「獣医学科」ということになっています。
農学部ということですから、農業高校からの推薦入学制度をとっている
大学は比較的見受けられますが、社会人からの推薦枠というのは、あま
り耳にした事はありません。
獣医師という国家資格にもとづく職業ですから、門戸を開放するのには
やはり「一般入学試験」というのが、もっとも公平な開かれた姿である
ということになると考えられます。
志望動機がいかようなものであれ、自らの力でその門をくぐることに意
味があるように思います。昨今は社会人からの志望者が増える傾向があ
るようでして、年嵩の新入学生も見受けられるようです。
これらの方の中には、30歳を越えている方もおりますので、28歳で
あれば、まだまだというところです。
肝心なのは、「入学試験を逃げてどうする」ということです。獣医師に
なったとして、苦手の病気や手術のときにも逃げるのですか?

ものは考えようです。今年の入試は終わってしまいましたら、これから
1年、現役高校生なら、他の授業で時間を割かれなくてはならない分、
入学試験問題だけをいくらでも繰り返して試験対策をとることができる
とも考えられるわけです。


3月15日の 真珠さんへ
誰も真珠さんのハムスターを目にしておりませんので、骨折あるいは捻
挫であるかの判断はできません。
病院へいくか否かの判断は、飼い主がするしかないでしょう。第三者で
あれば、無責任に「病院へ行く必要はありません」と発言するわけには
いかないでしょう。
「心配なら行った方が良いですよ」というのが、まずもって一般的な返
答だと思います。


3月15日の ゆうちんさんへ
「酸素水」ですか、化学的には、「水」はH2Oですから、これに酸素が
余分にくっつけば、H2O2、すなわち「過酸化水素・オキシドール」に
なってしまいます。
つまり、物理的に余分に酸素を含んだ水は、どのようなものであっても
「水」なのです。酸素飽和度の相違でしかありません。そして、「水」
の性質自身は変わりようはありません。水の最大の性質は、「溶媒」と
してさまざまな物質を溶かし込むことであり、反応として現れるのは、
全てその溶かしこまれた物質による反応と言えます。
つまり、どういうことか言うと、加圧をすれば、通常の酸素飽和度以上
に酸素を水に含有させることはできますが、常圧にもどれば、1気圧下
における酸素飽和度になってしまいます。
炭酸のようなものを入れて発生する酸素を増やすようにすれば、それは
水の力ではなく、炭酸の仕業ということになります。
酸性水とかアルカリ水とかいうようなものも、結論とすれば、水そのも
のの性質ではないということになります。
商品としての「水」のイメージはさまざまに作られますが、水本来の性
質はあくまでも「水」としての性質しかありません。

例外として、「核」の分野においては、「重水」が存在していますが、
これは、確かに物理的にも化学的にも「水」なのですが、原子構造のレ
ベルにおいて通常の「水」とは異なる性質を持ちます。


3月15日の さらさんへ
元気がないのが、「脱水症状」によるものか否かは、これは獣医師に判
断していただいた方がよろしいでしょう。
もし、脱水であれば、口から強制的に水を飲ませようとすることには賛
成できません。猫も相当に嫌がるでしょうから、誤嚥の原因となります。
猫が自ら飲水してくれれば良いのですが、してくれないからこそ、脱水
になっているということになりそうです。
非経口的に補水して、水分だけでなく、電解質も補給してあげる必要が
あるように思えます。
脱水であれば、動物病院の手を借りた方がよろしいでしょう。


3月17日の あいさんへ
私は、人間のカイセンが猫やフェレットに感染するかどうかは存じてお
りません。
ただ、動物間においては、異種の動物でも感染してしまうことはあるよ
うです。何年か前には野生のタヌキにカイセンが流行して衰弱してしま
た個体がよく保護されていたようです。
診断は、皮膚を掻爬して苛性カリで処理し、顕微鏡で検査するとカイセ
ンの虫体が確認できます。1ケ所だけでなく、何ケ所も検査することが
必要です。
命を落とす事があるのかということであれば、重傷化して衰弱してしま
った個体の中には、そのようなケースもあります。
ただ、カイセンには本来いろいろな種類があり、それぞれ固有の宿主に
寄生するのが普通です。移動距離も極めて短く限られていますので、異
種の動物間において感染するためには、相当な濃厚接触が必要というこ
とになります。


3月17日の ゆみさんへ
キチンと排尿できているのであれば、ペニスの露出の如何は問題とはな
りません。


3月17日の ぐーたさんへ
すでに りんママさんからレスがあったようですが。

歩行様の介護用品ということであれば、「車椅子」も「歩行補助パンツ
」も商品化されています。
# 歩行補助パンツというのは、腰の部分を上から人間が吊ってあげて
  体重を支えてあげて歩行を介助してあげるものです。

そんなに大量に流通すべきものでもありませんから、目に触れないかも
しれませんが、製品としては存在しておりますし、各動物病院へもカタ
ログが届いているはずです。
介護用品ですから、細かい仕様というのもありますが、入手が困難とい
うことでもないと思います。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。