獣医師ではありませんがご参考まで。
　
　問題となっているのは、
１　「床や壁、畳などをひっか」く
２　「お座敷の畳で爪研ぎする」
３　〈２〉で「父がすごく怒」る

　ですね。
　この解決策として「特定の部屋だけ入らせない」のはあまり得策ではありません。１は未解決ですから。

　アプローチはふたつあり、併用するのが効果的です。

ア　床、壁、畳、お座敷の畳に限らず、怒らないことにする。つまり諦める。動物を変えるより人間を変えるほうがラクです。特に家族ならば。お父上が寛容の精神を持てばすみます。ネコの爪とぎに腹を立てるような小人物でなくなろうと決意してもらえればそれで解決です。あるいは、夏にお座敷を開けるのをやめる、少なくとも開けっ放しにしない、で、お座敷の畳については解決します。

イ　〈ア〉が奏功しない場合、「床、壁、畳、お座敷の畳」などよりも砥ぎ心地のいい爪とぎを提供してやるという方法があります。何を好むかは試行錯誤してください。基本的に市販の爪とぎはネコにとって砥ぎ心地良く作られていますから、そんなに大変でもないでしょう。ふと爪とぎしたくなったときに目に付くように各室に設置することと、減って砥ぎ心地が悪くなる前に交換すること、水平・斜め・垂直と変化をつけてネコの好みを探ること、が肝心です。最初のきっかけ作りとしては、マタタビの粉などが有用です。

　繰り返しますが、ネコを変えるよりはヒトが変わるほうが簡単です。ことに、家族内の人間関係が根本原因で、ネコの行動は意見対立の「ネタ」にしか過ぎない場合、ネコを変えようとするのは労多く、ネコにストレス大である割には、根本的な解決に至らないことになります。問題の本質に切り込むほうがかえって近道だったりするわけです。
　問題をネコの行動に絞る前に、全体を考えてみられることをお勧めします。