意見交換掲示板過去発言No.0000-200503-220
世間ではアニマルセラピーと言いますが、 |
投稿日 2005年3月28日(月)19時18分 投稿者 プロキオン
この「意見交換」の掲示板には、「定番質問の回答集」として添付され ていますが、獣医師広報板には、「どうぶつよくある相談」という名称 のFAQがあります。 世間でよく言う「アニマルセラピー」は日本語では「動物介在療法」に なってしまい、医師の参加を必要としてしまいます。 用語の説明として、「定番質問の回答集」に「動物介在療法と動物介在 活動」の項目として、それぞれの説明が事前に用意してありますので、 興味のある方は、そちらを参考として下さい。 これらの活動において、一番大切なことは、人間と触れあうことが大好 きだという動物に協力してもらうことです。彼等にとっては、人間と触 れあうこと自体が喜びであって、それ自体が御褒美であることです。 そのような適性のある子を選ぶことがまず第一なのです。 訓練して連れて行くというのは、犬や猫にとっては、作業であり、使役 となります。 そういう形で、これらの活動を実施するのであれば、それは彼等の負担 になってしまうことでしょう。彼等にとって負担とならないような形で 実施することに、意義があるのです。 この点を誤解されている方が多いようなのですが、人間と触れあうこと を負担に感じるような動物であれば、これらの活動に用いてはなりませ ん。 人間が、一方的に動物を利用するような形であれば、本来の活動の意義 を損なう行為です。活動に参加している動物は、人間と触れあうことが うれしいのです。 実際、猫なぞで考えてみれば、適性のない猫なら、とても膝の上でじっ と抱かれてはいません。1にも2にも、動物の適性が優先されます。 その後に、動物達が疲れてきた時のサインを見のがさないための、人間 側の教育があります。 適性のある動物でも、疲れさせてしまってはいけません。もっと遊びた い、まだ遊んでいたいというタイミングで切り上げることを飼い主側が 学ぶ必要があるということです。 適性と言っても、そのなにむずかしく考える必要はありません。子犬、 子猫の頃から、飼い主さんがいつもいっしょに遊んであげていれば、ま ず、それらの動物は人間が嫌いということはありません。盲導犬でも多 くの犬がパピーウォーカーの元で育てられますが、その目的は人間を好 きになってもらうことにあります。 動物が人間を好きであること、そして、人間も動物を好きであることこ そが、活動の原点です。 # 動物を怖がる人間に対しては、活動も実施できませんし、人間を嫌 いな動物も活動に参加できません。 これらの動物介在活動は、まずほとんどと言ってよいほどボランティア で実施されていますので、活動に参加したいという希望者がおられれば、 喜んで迎え入れていただけるはずですし、それらの実施団体で、人間と 触れあう事が好きになるにはとか、犬や猫が疲れて来た時のサインはと かを教えてくれるはずです。 動物介在療法であれば、厳密には医師の資格が必要となりますが、そう でなければ、とくに資格は必要としません。動物が好き、人間が好きと いうことが条件ということくらいでしょう。 人間と動物との触れあい活動の後で、動物を癒してあげなくてはならな いようであれば、このような活動は実施すべきではないでしょう。 人間も動物も共に楽しい時間を過ごすことこそに意味がありますので、 どちらか一方に負担を強いる活動になってはなりません。動物に参加し て貰うからには、そこが大切な点です。 |
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