獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200503-238

マルチレス
投稿日 2005年3月31日(木)18時27分 投稿者 プロキオン

3月30日の しゅうさん 並びに yukoさんへ
29日付けで書いた私のマルチレスの中で、りりさん宛の部分を読んで
いただけておりませんでしょうか?
犬は食肉目の動物であり、肉を消化するのに足る強力な胃酸をもってい
ますし、子犬の離乳食として半ば消化された胃内容物を吐き出して、与
えます。
疾病でなくても、かなり吐出や嘔吐をしやすい動物と言えます。ストレ
スがかかっても吐きやすくなりますし、胃の中に内容物があることが負
担と感じても吐きます。吐くという行為自体には特異性はありませんか
ら、なぜ吐くのかという質問であれば、これは受診して検査をしてもら
う必要があります。
ネット相談で、はい、これが原因でしょう、一件落着というわけにはい
かないと思いますよ。

yukoさんの場合は、胃薬が処方されているのであれば、感染症とい
うことではなく、胃炎という診断なのではないですか? 嘔吐の原因は
不明だけれども、胃薬を出しておきますということでもないと思います
よ。


3月30日の ままさんへ
アミノフィリン製剤の一種とユビデカレノンの一種が、処方されている
ようです。
心臓の弁膜症という診断ですので、どちらも心臓の負担を軽減する目的
で選択されているのでしょう。うっ血性心不全の軽減とこれによる肺の
水腫の進行を抑制する目的ということになるはずです。

診察によって犬が疲れてしまのかもしれませんが、かかる状態であれば
副作用の心配どころではないでしょう。
心不全というものは、自然に治るということはありません。時間の経過と
ともに進行していくだけです。服用させなければ、それだけ病状が進む
だけです。
もっとも、循環器の薬剤というのは、その選択と使用する時期がありま
す。やみくもに投薬しても弱っている心臓の疲弊を早めるとということ
もありえます。外科医のメスさばきと同じく、匙加減ということもあり
ます。
こちらについては、可能なかぎり頻繁に犬を診察していくということに
なります。なにもなくても、まず聴診器をあてる必要があると考えて下
さい。
患者である犬が疲れてしまうということは、それだけ重篤ということなあ
のでしょう。医師の匙加減とのかねあいもありますので、主治医の先生
と逐次相談しながらということになるでしょう。


3月30日の ももさんへ
排便の回数は、食べている食事の量と内容に関係がありますので、かな
らずしも回数が多いとも言い切れません。
線維分の多い餌を給餌されていたりすれば、普通の回数かもしれません。
また、この場合、犬の種類も関係があるかもしれません。
ビーグル犬は、スタミナがあってエネルギッシュな犬と言えます。獲物
を追い掛けての最中であれば、食事もとりませんし、排泄も走りながら
行います。この犬種であれば、お腹の中に長時間排泄物を溜めておくの
よりは、走りながらでもさっさと排泄してしまった方が仕事柄、好都合
なのでしょう。
その方が使役目的にかなうとして改良されてきた犬なのですから、それ
は、当該犬にしてみれば、なんで今頃そんなことを言われなくてはなら
ないのかの心境かもしれませんよ。


3月31日の わんわんさんへ
陰睾の手術で、術後に腹水が溜まるというのは、私には分かりかねます。
脂肪が蓄積してお腹が張ってきているとか、術部を舐めて水がたまった
ということとは明にか異なっていますよね?
まだ、腹水は抜いていないとのことですが、炎症性のものか、漏出性の
ものか、あるいは血性のものかぐらいは、確認してみたいところです。




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