獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200507-162

レス2題
投稿日 2005年7月16日(土)12時46分 投稿者 プロキオン

7月25日の りんさんへ
 「ウイルスが原因の膀胱炎」というのが、当初の診断ですか。どうも
私には、どういう情況なのか分かりません。
血尿が出ているとのことであれば、やはり泌尿器の疾患かと思いますが
、それにしては「咳」だ「胃炎」だのがあり、的が搾れません。
2軒目の病院で胃炎との関わり、因果関係についても説明はなかったで
しょうか?
本当に「咳」なのか「嘔吐」の発作なのかの見きわめも必要ですし、そ
れらが一連の症状なのか、たまたま偶発的なものなのかが、判断できま
せん。一連のものであれば、単に膀胱炎ということではなく、血尿をと
もなう疾患ということにもなるはずで、全身症状の中の1つの症状とい
うことになります。
ここの判断はかなり重要なことですので、1軒、2軒と言わずに、きち
んと診断して説明してくれる病院を捜す必要がありそうです。
いずれにしても、ネットのように診察できないところに相談しても適格
な答えは返ってきませんので、充分な技量をもっている病院を受診され
た方が良いでしょう。
# 避妊されていない雌犬ということであれば、想像できないこともな
  い疾患もありますが…。


7月15日の こたろうさんへ
 3ヶ月の子犬の大腿骨骨折にプレート(板所の金属固定具)を使用し
て、骨はくっついたが、曲がって成長してしまい、二次的な障害が発生
してしまっているという理解でよろしいでしょうか?
その先生は、大学で「整形を専攻していた」ということのようですが、
これはあまり重視されない方がよろしいでしょう。どのように優れた師
匠の下で学ぼうとも、師の技量は師のものであって、弟子の技量はまた
別のものです。
子犬の脚の骨折は、いわゆる「若木骨折」と呼ばれることがありまして
今から成長していく骨ですから、骨そのものに与える侵襲はできる限り
少ない事が望まれます。
侵襲が大きければ、かかる術後の事態も起こり得るわけでして、その時
にどのような術式で臨むかは、術者が考えなくてはならないことと言え
ます。
その術式しかなかったのであれば、致し方ないことと言えますし、他に
選択できる方法があったのであれば、その方法が検討されたかの如何に
よります。
また、金額は同じ手術方法であっても統一することができませんので、
高い料金の病院もあれば、安い病院もあるでしょう。同じ高い料金とい
うのにも、その道の権威の大先生であって、あの先生の手術を拝見でき
るのであれば、相応の金額は必要ということもあります。
これと、逆に、他の先生方には、5万円が相場の手術であっても、私に
とっては難しいので10万円くらいの労力を使っているという意味での
高いもあるでしょう。
同じ患者を同時に別の獣医師が診ているのであれば、手術の難度と術者
の技量が判断できますから、本当の意味での高い安いは判断できますが
、この条件がないのが普通ですから、獣医師といえども料金が妥当であ
たか否かは判断できません。
ただ、3ヶ月の子犬の大腿骨骨折で30万円という料金であれば、どの
ような困難な手術であったのだろう(?)の感はあります。まして、整
形を専攻していたと自ら口にしていたのであれば、きっちりと治して欲
しいものです。
ただ、それでも、手術代の返還は難しいと考えます。治療の主目的が骨
折の修復であって、手術も実施されていますし、骨も癒合していますか
ら。一部返還を求めるか、あらたに骨を矯正する手術を望まれるかとい
うことになると思います。
骨の矯正の手術はたしかに一般的ではないし、誰にでもできるというこ
とでもなく、犬自身にも新たな負担を長期に亘って強いることになると
思います。
訴訟を考えておられるのであれば、そのときに他の術式がとりえなかっ
たのか、術後のかかる事態の予想が可能であったかが焦点になると思わ
れます。技量のあるなしは、その後でしょう。
訴訟になっても、相手方も弁護士さんが登場してくれば、事の真相より
も、事務的な話の進行で終わってしまうかもしれません。これは、医療
裁判を手掛けていて、その方面の勉強をされていて、医学的な知識を持
っている弁護士でないと突き詰めた話として進めることができないため
です。素人同士での話し合いになれば、意図したところと異なるところ
での決着ということに落ち着くのではないでしょうか?
そうならないためには、こたろうさん御自身が勉強される必要があると
考えます。






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