獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200511-25

マルチレス
投稿日 2005年11月3日(木)13時24分 投稿者 プロキオン

10月31日の はっしさんへ
ちょっと誤解なされているようです。「人畜共通感染症」という言葉を
使用していますよね。
「人畜共通」というのは、相互に行き来することを意味していますから、
人間から見れば「動物由来感染症」ですが、動物から見れば「人由来感
染症」ということにもなるわけです。
すなわち、人間から人間へ感染していれば、ただの感染症扱い。動物か
ら感染していれば「動物由来感染症」です。同一の感染症であっても感
染源を何とみるかだけの違いだけです。
例えば、狂犬病であれば、犬からと考えがちですが、アメリカではコウ
モリやアライグマからの感染の方がずっと多いわけです。このような場
合は動物由来感染症です。気がつかないうちに感染した人間が、犬に口
移しで食べ物を与えたりしていれば、その犬にとっては「狂犬病」が「
人由来感染症」となります。
現実問題としては、人間社会は感染症の病原体から隔離されてきていま
すから、伝染病(感染症)の病原体を排泄している人間が町中を歩きま
わっているという状態にありません。また、人間に感染する可能性のあ
る病原体を排除する方向にありますから、「人畜共通感染症」がすなわ
ち「動物由来感染症」という位置付けとなっています。
しかし、動物の視点からですと、犬にしか感染しない疾病、猫にしか感
染しない疾病も、飼い主が衣服や靴に病原体を付着させて家庭内に持ち
帰って来てしまうことがあります。定義を広義に解釈すれば、このよう
な犬や猫に固有の疾病も「人由来感染症」と言う事もできます。

「人畜共通感染症」という言い回しに限っていえば、人間と動物の間で
相互に行き来することのできる病原体であれば、ウイルス(宿主特異性
を有しないもの)も細菌も原虫もも寄生虫も、そしてプリオンもすべて
動物由来感染症であって、同時に人由来感染症になりうるということな
のです。


10月31日の トムさん
目にかかっている白い膜というのが、何なのでしょう? 当初は角膜が
白濁しているのかなとも考えたのですが、角膜であれば瞳孔はむしろ広
がっているのではないかと思われます。
もし、瞬膜のことであれば、角膜に傷があって、その痛みから瞳孔は小
さくなっているであろうし、角膜保護のために瞬膜が被っているという
こともあるのではないでしょうか。
麻酔をかけると眼瞼が開いたままで寝てしまいますので、角膜をいため
ることはあります。通常は油性の眼軟膏をつけてあげて角膜保護に努め
るのですが、それにしてもちょっとその状態が長いように感じます。
ただの「角膜保護が未処置の結果」というよりも、もう1つ先の角膜に
損傷が生じているのかもしれませんね。


11月1日の ちゃちびりんさんへ
「癲癇」というのは、脳内の神経伝達回路がショートサーキットに陥っ
ている状態であって、その人間の知能とか人格とは、まったく別の問題
ですので、その点は御理解願います。まして感染するということはあり
ません。
さて、子猫の癲癇とのことですが、私はこれは「癲癇様の発作」であっ
て真性の癲癇ではなかろうと考えます。
おそらく、胎児の頃にでも母猫から感染したウイルスあるいは原虫によ
る脳炎が原因ではないかと思います。ウイルス性の癲癇ならうつるかも
しれないからと言われたようですが、ポイントは脳を形成している時期
に感染というところにあります。
おそらく脳の形成が終了してからであれば、同じウイルスに感染しても
そのような症状は生じなかったはずです。人間にも感染するという心配
は最初から不必要な心配です。感染そのものが成立しないでしょう。


11月1日の ゴールデンさんへ
白内障と診断されているのであれば、診断された先生にお尋ねするのが
一番の早道です。
直接の知己はなくても、白内障の眼内レンズや手術器具を作成している
メーカーがありますから、手術を手掛けている病院を知る手立ては獣医
師であれば知っているはずです。


11月1日の ムックさんへ
私の場合でもラベルを剥がしてしまうことはありますよ。
1つは、溶解液と粉末がセットになっている場合です。この場合は、点
眼瓶の容器の方に「溶解液」のラベルが張ってありますから、使用する
者が目薬ではなく間違ったものが渡されたと誤解することを防ぐ為です。
もう1つは、最初からメーカーの方で剥がれるラベルを用いているケー
スです。こちらのケースですと、ラベルを剥いでそのままカルテに張っ
てしまうとカルテの記載がとても楽になりますので。
# こちらのケースでも使用期限等は容器に残っているはずです。
いずれにせよ、薬の袋の方には使用回数や目的等は記載しています。製
品名や成分名等が気になるのであれば、気軽に尋ねてしまって良いので
すよ。
今は、人間の方でも処方している医薬品の説明用の別刷りをいっしょに
くれるところも増えてきていますし、動物病院の方でも別刷りをCD−
ROMに収録して販売されていたりもしますので、別刷りを用意してい
る病院もあるのではないでしょうか。
「説明されてもどうせ分からないからいらない」という方も結構多いの
ですが、知りたいという方に断る理由はないです。
ただ、ムックさんが投稿の中で書かれているような理由というのも、ま
ったくないということもないでしょうね。そういう考えの病院もあると
思います。
私の場合ですと、剥がれるラベルでも剥がす手間が惜しい場合には、そ
のまま渡してしまいますし、最初から剥がれるようになっていないもの
まで剥がす気はありません。
伝えたいのは、目薬の使用目的や使用頻度、保管方法です。製品名はそ
の後です。説明されたのを忘れてしまったのであれば、気軽に尋ねて貰
ってかまわないです。飼い主さんが使用している製品に興味をもつのは
よいことです。隠す必要性は感じていません。


11月1日の 山下先生へ
先生の「もう発言しまいと思っていた」という部分が気になっています。
なにか失礼なことでも申しましたでしょうか?


11月2日の まさしさんへ
剥製の業者さんなら、電話帳に広告も電話番号も掲載されていると思い
ます。


11月2日 アカさんへ
やはり餌で手なづけて触れるようにしていただくか、猫の捕獲箱を愛護
団体等から借り出して、ということになるように思います。
もう1つは、その猫の飼い主さんを探し出すということになると思いま
す。近所でこのような模様、色の猫を見かけたことがないか、あるいは
飼い主に心当たりがないか尋ねてあるくという方法です。ポスターやチ
ラシもよいかもしれません。
クレームや苦情の持ち込み先を捜しているということではなく、猫のこ
とを心配してのことですので、なんらかの心当たりのある人にとってみ
れば、情報を寄せやすいかもしれません。


11月3日の ファムのままさんへ
犬が歩いていてケンケンするとか、スキップするというような異常が見
られたら、私でしたら、膝蓋骨脱臼から疑います。
当該犬がポメラニアンでしたら、なおのことです。主治医の先生の意見
とは異なりますが、小型犬にはひじょうに多いケースですので、ぜひと
も触診で確認しておきたいところです。






◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:「ペット用品販売」「犬の快癒整体」OrangeCafe様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。