獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200602-203

reプランター埋葬について
投稿日 2006年2月17日(金)03時11分 投稿者 はたの

獣医師ではありませんがご参考まで。

 骨がどのぐらいの期間残るかは、基本的に土壌(およびそこに注ぐ水の)のphによります。アルカリ性ならば浸食は非常に遅く、酸性であれば速くなります。注ぐ水および、精製水で希釈した土壌のphを試験紙なとで事前に測定されるとよいかと思います。そして酸性ならば、消石灰などで中和しておきましょう。
 なお、齧歯類は食肉目などに比べて骨が華奢ですので、イヌネコの埋葬方法を参考にされる場合はご注意ください。

 植物の根は、直接的には肉を溶かしたりはできません。ただし、土に間隙を作って好気条件を保ちやすくはなり、その結果として腐敗菌が活動しやすくなる(かつ、ひどい臭いになりがちな嫌気性腐敗を押さえる)間接的な効果はあるかもしれません。

 通常、土壌中で腐敗菌が活発に活動するのは地表から15センチ前後程度とされています。プランターの場合、よく固めた場合で周囲から15センチ程度と考えられます。
 プレーリードッグでしたら、直径7 8センチ、長さ20センチ程度の円筒形ですから、極端に大きいプランターでない限りうまく腐敗してくれることが期待でき、むしろ、遺体をカバーする土の厚みの不足のほうが問題となりやすいでしょう。

 要するに、ホームセンターなとで市販されている最大クラスのプランターに、普通の栽培用土(大粒の赤玉とか腐葉土などの間隙が極端に大きいものばかりは避ける)を硬く詰め込んで遺体を埋設し、後は待つだけ、花は植えても植えなくても、ということになります。
 
 ただ、「埋葬」と「骨の確保」を両立させるのはやや難しいかもしれません。
 土中で処理した場合、骨はかなり汚れます。植物の細根などが入り込りこみます。後処理できれいに白くするのは困難です。小さい骨は見つからなくなることもありますし、見つかった場合も(解剖学的知識がないと)位置関係が不明になりがちです。原形をとどめていなくてもかまわない、ということなら大丈夫ですが。
 また、毛も骨ほどではないですが分解が遅いので、骨を掘り出す際には目にすることになります。

 プレサイズでしたら冷凍庫での保存も容易ですから、少し時間をかけて検討されつつ、悲しみが落ち着いた時点で最終的なご判断をなさってはいかがでしょうか。


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