意見交換掲示板過去発言No.0000-200603-203
re: ハムスターの下痢・ウイルスの伝染力 |
投稿日 2006年3月23日(木)11時18分 投稿者 プロキオン
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3日のうちに下痢、ウエットテールを引き起こしました。 獣医さんで診てもらったときには 寄生虫はなくウイルス性のものであると言うこ とで、抗生剤入りの薬をもらったものの状況はどんどん悪化し 所謂、「ウエットテイル」ということで伝染性の下痢と解釈してよいのかな? 病名 としての「ウエットテイル」となると病原体は、「Lawsonia intracellularis 」とい う細菌が原因菌ということで一応の結論が出ているようです。 寄生虫というのも、普通の寄生虫ではなく「ランブル鞭毛虫」のことを指して言って いるのだと思いますが、この原虫が見つからなくても、治療にはこちらを念頭に置か れた方が結果に結びつくことが多いようです。 # ちょっとしたことで原虫の生活環が変化してしまって見つからなくなってしまっ ていることが多いのです。見つからないが、すなわち、「居ない」ではありませ んから。 また、この原虫に対応する薬剤が、腸内嫌気性菌にもひじょうに有効ですので、 エンテロトキセミアを防止する意味もあります。 ウイルスを原因とする下痢ということになると、残念ながら抗生物質の治療効果はあ まり期待できないものということになります。多くの場合、支持療法が中心となると 考えられます。 商品名として「パコマ」をあげておられますが、この消毒薬は、きわめて優秀な消毒 薬と言えると思います。 法定伝染病の消毒にも指定消毒薬として使用されるケースも多いはずです。 鶏舎、豚舎等の消毒に用いる際にも、とくに隙間を目張りしなくても、かなりの効果 を示してくれます。扉を閉めて、そのまま噴霧しただけでも2時間くらい室内に入るこ とができません。もし、人間が入室して肺からこの消毒薬を吸入すると、呼吸困難の 状態に陥りかねません。 一旦噴霧器のスイッチを入れて、10〜15分後に切るために入室するのは、本当に 危ない作業となります。少しでも吸い込むとそれは咳き込んで相当に苦しい思いを経 験することになってしまいます。 また、法定伝染病の家畜を処分する際にも目的外の使用法として用いられるケースも あります。使用方法は述べることができませんが、大貫ものの豚でも1〜2秒で死に いたります。通常薬殺に使用される薬剤よりも、すみやかな結果が得られ、投薬され た家畜があばれて周囲の人間が危険ということがありません。そのくらい効果がある ということになります。 所謂消毒薬らしい臭気ではありませんし低刺激性ですので、知らない人は、あまり効 果がないと感じられるのかもしれませんが、これは、かなり優秀な消毒薬です。 濃度とか散布方法とか、事前の有機物の除去とか、使用にあたっての注意事項は、む ろんあります。使用方法や注意事項を遵守する限りにおいては、まず、効果がないと いうことはありません。 ウイルスの抵抗性は、こちらはなんとも言えません。種類によっては空気中で短時間 で不活化されてしまうウイルスもいますし、半年も環境中で生存するものもおります し、そのウイルスに応じた頻度で消毒してもらう必要があります。 消毒したのにもかかわらず、疾病を根絶できないという場合は、室内の煤塵や物陰に 存在する病原体に消毒薬を適応しきれていない、人間や飼育している動物を介しての 再感染があるということになると思われます。 鶏舎や豚舎における消毒というものは、オールインオールアウトが原則なのです。何 も残さない状態で、すべてのものに消毒薬を完全に適応させるということになるので す。そのうえで、空舎期間を設けて、生物学的な連続性を断つということが実施され ます。 ペットの場合は、このような使用方法というものになじみが無いかもしれませんが、 その分として、詰めの甘さが残ることはあるでしょう。 ただ、「今、飼育している動物までなんとかしろ」では、飼育者としても困惑するこ とは目に見えています。 現状で可能なことを丹念に繰り返していくということになるのではないでしょうか。 そういう現状というのは、飼い主さんの責でもなく、消毒薬のせいでもないでしょう。 |
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