意見交換掲示板過去発言No.0000-200605-109
>ニャン太さん |
投稿日 2006年5月10日(水)18時23分 投稿者 プロキオン
どうも失礼いたしました。私はニャン太さんが「観血的処置」を希望しているものと 誤解しておりました。 >獣医師でなくても業務としてではなく対価を得ないで行う診療行為であるなら 問題ないと自ら口にし、診療行為?が行われています。 かかる行為に対して胸を痛めておられたということなのですね。 これは、家畜の治療行為の解釈が歪められているせいですね。農水省だけが悪いのでは ないのですが…。 歴史的には、獣医師資格というのは戦前では、「農学校」や「蚕業学校」の卒業でも受 験資格があったのです。私の年齢ですと、そのような学校を卒業された獣医師も大勢存 じています。診療対象は、馬・牛・山羊等だったのですが、今の獣医療とは異なり、家 畜の疾病の治療ということよりも、増産ということに主眼がおかれたものです。 戦後、獣医学の内容が見直され、これに対応するために獣医師の教育は大学教育のレベ ルで実施されるべきものとして再編が行われました。結果として、獣医師の不足となり また、急激に増加した酪農や肉畜に対応できない事態が生じたのです。 このために、「自己所有の家畜であるなら」とか、「反復して行われない行為であれば 」とかいう「業でなければ」という「黙認するための言い訳」が登場してきたいきさつ ということになります。 # 畜産農家であれば、反復して実施しているはずですから、「業」に相当してしまい ますが、それはまた眼を瞑ることになっています。 当時は、相手が家畜であって増産のための処置であり、むずかしいものは廃用というこ とになるのが相場でしたので、薬事法によって薬や器材について縛りをかけておけば、 それで実害はあまりなかろうということだったのです。クレームをつけるはずの当の獣 医師自体が人手不足だったからです。 所管する家畜保健衛生所も統合につぐ統合で、広域化していたのが実情です。 残念なのは、今また時代や世情が変わってきているのにもかかわらず、混乱期にでき た「黙認するための言い訳」が生き残っていることです。 むしろ、今、在職している農水省の職員であれば、そうなった経緯を承知していない 者の方が多いのではないでしょうか? 単純に先輩から、そう説明されてきたから、 そうなのだろうくらいの理解なのでしょう。 時代は、また変遷していますので、獣医師法が制定された当初の基本理念に立ち返り 条文の本来の字句のとおりの解釈に戻るべきであろうと考えます。 自分の飼育している動物を、いくばくかのお金を惜しんで自分で処置してしまおうと いう意図であれば、誉められる行為ではないと思います。 例え、1本の注射といえども、なぜ、この薬が選ばれたのか、そしてその薬理作用と 副作用はという裏づけがあって、初めて意味を成します。 何も理解できていない者が、見よう見まねでする行為を自慢しているとしたら、それ はずいぶんと滑稽なことです。(本人には自覚できていないのでしょうけれども) 先のレスであげましたチワワの去勢の例など、まさにそういうことになります。当事 者であるチワワにとっては、ひどく迷惑なことと思います。 昔であれば、「角をためて、牛を殺す」ということにでも相当しましょうか? この ような諺があるくらいですから、やはり昔にも愚かな行為に走る者はいたということ になりそうですね。
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