獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200608-280

ちかさんへ〜肥大型心筋症と慢性腎不全について〜
投稿日 2006年8月27日(日)12時51分 投稿者 山下 貴史

ちかさん、もうご覧になっていませんでしょうか?レスがつかないようなので、お答えさせていただきます、獣医師の山下と申します。

 心筋壁は測る場所で厚さが変わるので9.2mmという数値だけではなんともいえませんが、それが「拡張期」の左室心筋壁や中隔の厚さだとすると確かにかなりの重度と言えますよね。後は、心室中隔(真ん中の壁)がまっすぐなのか?とか、血栓がすでに心臓内に存在するか?などの状況は分かりますか?

 いただいたご質問の「この席は肥大型心筋症による発作か?」ですが、この情報だけではなんともいえないと思います。その可能性も、これだけ心筋の状態が悪いのであれば十分にありえると思いますし、無症状と言うことを読むと「単にむせたのとは違うの?」と言われると「そうかもねぇ・・・」としか言いようも無いです。それと、基本的な肥大型心筋症の咳の出かたなどについては、ちかさんのお考えは間違っていないように思います。

 まずはレントゲンでの肺の評価は欠かせないと思います。救急病院では撮影されましたでしょうか?今ならもうかかりつけの先生のほうで撮影しちゃいましたか?

 そして、治療も無症状の肥大型心筋症と言うことですので、おそらくこれだ!といえるようなものもなく、定期健診を数ヶ月に一回行なうことで状況を把握しつつ、日常の状況も含めて心不全に移行するのかを見るくらいしかなく・・・逆に心不全に移行してしまうと余命がいくばくも無いですからつらいですよね。現状では、ジルチアゼム(ヘルベッサー)とエナカルド(ACEI)中心の今の治療が基本的だと一般的には思われます。もし、胸水などが貯まるようになってきたらフロセミドと呼ばれる利尿剤などを加えることが多くなりますが、そこは検診でわかるものです。

それと、エコーをきちんと実施していらっしゃいますし、無症状の場合の治療としても過不足なく適切と思われますし、無症状の肥大型心筋用は比較的予後が悪くありませんので、かかりつけの先生と3人4脚でネコさんの管理がんばってください。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。