意見交換掲示板過去発言No.0000-200609-215
ゆきさんへ〜腎不全〜 |
投稿日 2006年9月16日(土)17時55分 投稿者 山下 貴史
ゆきさんこんにちは。 もうご覧にならないかもしれませんが…。PCに戻りましたので。 おそらく僕の知っている記事と同じように思います。数年前の雑誌か何か…の記事ですよね。ちなみに…ご存知かもしれませんが、RA系阻害薬のひとつがACEI(アンギオテンシン変換酵素阻害剤、ACE阻害薬)で、むしろ心臓での使用のほうが有名な薬です(以前ゆきさんともお話したかも?)。ちなみに、木村玄次郎先生の文章では「糖尿病で腎不全のきざしがある場合に降圧剤(ACEI)を使うと機能が上がる」とか「糖尿病併発の膵臓移植例で『血糖値をコントロールできた時』に組織的にが正常に」とか「血圧は低く維持したほうが良い」いう内容だったように思います。 人のほうでは、糖尿病で。。。特に血糖値のコントロールが不良な人が腎不全になってしまい透析をするまでになるんですね。(ちなみに他にも網膜とか神経とか血管とかにも影響が)しかも、糖尿病からの透析患者さんがものすごく多いのです。でも今までは、人の糖尿性腎症の治療に「これ!」って薬はなくて、食餌療法と血糖値のコントロール(インスリンなど)くらいしかありませんでした。で、血圧のコントロールはしないで搾り出せ!というイメージ。でも、腎臓をそんなにいじめないで!!という治療法をそれにプラスしよう!ということで、言われたものと捕らえて良いと思います。 ちなみに人のほうでも明らかな腎不全の場合には不可逆性(元に戻せない)でして、尿検査をこまめにおこなって、微量アルブミンというものを検出して(犬でも一部やられています)より初期に治療を開始しようという感じです。 では犬は?ということですが、わんこでも糖尿病腎症に対してACEIを長期投与することで良好な結果は出ています。また、そのほかも含めた「腎不全(慢性腎不全・遺伝性腎不全)」に対しても、少なくともゆきさんのおっしゃる腎(糸球体)の構造と機能への保護作用はかなり前から言われています。特に慢性腎不全に対しては多くの発表等がありますので、ゆきさんの思っていらっしゃることは間違ってはいません。「腎臓復活!ではなく腎機能復活&構造正常化・・・そして、長期予後を良くしていこう!」ということですが・・・。ちなみにACEIの作用は動物種が少ないことも言われています。 ただし、末期の腎不全においては機序はともかく結果として、BUNやCreが上昇しすぎてしまうということもあり、かえって腎不全を悪化させる可能性があることが言われています。もちろん数字だけで決まるものではないのですが、その目安のひとつは「Cre5以上」です。Creだけではゆきさんのワンちゃんはまだ中等度の腎不全と取れますね。でも、以前にも書きましたが、まずはゆきさんのワンちゃんの全身状態を把握してあげてください。病気は一つ一つを見るものではなくて、その患者さん全体で考えなきゃですもんね!その上でACEIなどの使用を考慮します。たしか、ゆきさんのワンちゃんは心臓も・・・・でしたっけ? ちなみに、利尿剤とACEIの併用はよくありません。大切なのは「水で体を潤す」と同時に「腎臓への負担を減らす」ことではないでしょうか?脱水は腎不全を進行させます。犬の慢性腎不全も根治的な治療法は腎移植しかありませんが、維持療法でもI活性炭・ACE・食事療法などの通常の治療法にくわえ、民間療法(過水素水やサプリメントなどでの活性酸素除去療法・オメガ3脂肪酸など)もケースバイケスで利用可能です。
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