意見交換掲示板過去発言No.0000-200609-258
re: プロキオンさんへ<ボンベイ> |
投稿日 2006年9月22日(金)11時00分 投稿者 プロキオン
血統書は、両親の血統書と交配証明書によって発行されます。生まれてきた子猫を1頭 1頭識別して発行されるということはありません。 先に申し上げましたように「ボンベイ」自体が、各々の品種の交雑から作出された品種 であって、元の品種から見れば、雑種という見方もできます。何代交配して品種として 固定したかまでは知りませんが、年月の推移とともにさまざまな遺伝子が目覚めること も考えられるところです。 また、マンクスやスコティッシュホールドのように純血にこだわると、その品種自体が 維持できない品種も存在しています。品種間雑種をつくらないと維持できないものも、 「品種」としては認められているわけです。 と同時に、犬の流行犬種であれば、「これ、本当に○○?」という個体もペットショッ プで販売されている事例も、私自身が目撃したこともあります。 その犬がどのような種類の品種であるか、どの親から生まれてきたのかを記しているの が血統書なのですが、その血統書とその個体が同一であるか否かは、システムの問題と して、今のところ確認できません。 まろさんがお尋ねになったDNA検査のことは、おそらくJKCの個体識別システムと しての検査ではないかと想像しています。通常であれば、個体識別はマイクロチップで 充分なのですが、作為が入る余地がないのと、両親との血縁関係においては、こちらの 方がずっと信頼性があるということになるのだと思います。 ただ、両親や先祖とのつながりは、たしかに分かりますが、では、その両親や先祖がは たしてどこまでの純潔かという問題になると、ボンベイであれば、起源まで遡及すると 「品種間雑種」という結論にたどり着くことになりかねません。 従いまして、血統書とその発行団体を信用するかどうかという最初の点に戻ってしまう ことになるのです。 牛なんかでも、種雄牛の検定となりますと、産出された子牛たちの遺伝子をチェックし て、精液の混入や誤認が起きていないことを確認してからでないと、登録検定の先への 方までは進めません。これも個体と血縁関係の確認が目的です。 その牛がホルスタインであるとか、黒毛和種であるとかの判別には利用されていません。 私の研修先の病院では、飼い主が○○と品種を告げたのであれば、それは○○とカルテ に記載していました。飼い主さんがオールドイングリッシュシープドッグと信じている のであれば、尻尾がはえていても、それで通しますし、ハスキーとマラミュートでは、 一応確認しますが、飼い主さんがハスキーであるとおっしゃるのであれば、ハスキーと なります。 私自身も、一度、チワワなのかパピヨンなのか判断に迷う子犬に遭遇したことがありま した。飼い主さんが言うには、パピヨンとのことでした。長じるに従って、パピヨンら しい特徴も見られるようになってきましたので、ほっとしました。
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