ｍｉｙａさん、こんにちは。いつも出遅れてしまう獣医師・・・山下と申します。今回は間に合ったでしょうか？（前回の人のは間に合わなかったようなので（恥））ｍｉｙａさんの文章を読んでいて、ちょっと思ったことでして。。。変な質問かもしれませんが、お許しください。

この猫さんの腎不全の原因は何か言われていますか？

…と申しますのは、「腎不全」の診断名で転院されて来る猫さんの中には「いわゆる慢性腎不全」ということではなくて、「腎臓を含む様々な腫瘍」・「甲状腺などの内分泌病気」・「免疫系の病気」…など様々な「他の病気」だけだったり、それにたまたま＋腎不全もあったの場合があります。確かに慢性腎不全もあるけどそれはたいしたことなくて、他の病気から腎不全も悪化している・・・というものです。中には原因を治療することで、状態が良くなることもあります。

以前この掲示板のどこかでも書きましたが、猫さんに高齢だから仕方なく起こる慢性腎不全の診断をつけるには…
＜腎不全を疑うために＞
身体検査（体格・脱水など）
血液検査（ＢＵＮ・Ｃｒｅ）
尿検査（特に尿比重・尿蛋白）

＜本当に加齢によるいわゆる慢性腎不全かを判断＆状態の把握のために最低限しなきゃ＞
血液検査（リン・カルシウム・カリウム・アルブミン・甲状腺ホルモンを中心に全身をチェック）
尿検査（尿の沈渣までを含めた通常の検査）
Ｘ線撮影（レントゲンですね。腎臓の形が分かります）
超音波検査（エコーですね。腎臓の中の様子が分かります）
血圧測定（高血圧は腎不全の悪化因子になります）

…が検査は「最低でも必要！！」です。もっとマニアにやろうと思えば他に血液ｐＨや腎機能を詳しくなどを見るとさらにつっこめますが、現状からならば治療法があまり変わったりはしないかもしれません。まずは病名を知って（腎不全は病名というよりは状態名ですね）、そこから治療が始まります。

最後に、仮に慢性腎不全の末期としても、腎臓用の処方食を無理して食べさせることよりも、なんでもいいから体に悪くないもの（ネギとか人の味の濃いものとか）であれば…できれば猫さん用の食事（缶とか）のほうがいいかもしれません。もちろん腎臓用の処方食を食べてくれるのであればいいのですが、とにかく食べることをさせるという方法もあるかもしれませんので、かかりつけの先生に相談してみてくださいね。