獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200609-88

見るか見ないか
投稿日 2006年9月6日(水)20時05分 投稿者 はたの

確認する必要が切実にあるから 見る、見せる、というのは確かに信頼関係に不安があります。私もイヌネコの避妊手術では見せろと要求はしませんし、見せて貰ったこともないと思います。「保存しておきますか?」と聞かれたことはありますが、「その必要はない」と答えていました。

 ただ、特に信頼関係に不安がない場合でも「見せる」を原則にしてしまう、というのも一案ではないかと思うようになりました。そうすれば、信頼関係を巡って疑心暗鬼になることさえなくなります。
 父がガン摘出の手術を受けたのですが、術後の(妙にハイになっている)主治医=執刀医からの説明時、ルーティンとして膿盆に載った患部が出てきました。「この堅いところがガンですから触ってみてください」というわりにはディスポの手袋がついていないのでリクエストして触らせてもらいました。
 ガン専門として名だたる病院ですし、主治医=執刀医も、術式名と内容とを標準化するーキンクグループのメンバーであり、見学者を多く抱えている人です。まあ最前線といってよいでしょう。その感覚では、”見せるのが当たり前”なのだなあと思ったことでした。
 むろん、そうなると”見ない権利”とのすり合わせが次に問題になってきます。そこはなかにか難しいものがあるわけですが、”原則見せない、リクエストあれば見せる”だと疑心暗鬼が生じやすいのに対し、”原則見せる、リクエストあれば見せない”であればそのデメリットは生じません。
 必要性の有無、多寡によって見せる見せないではなく、原則見せる、で良いように思います。
 人医療獣医療にかかわらず設備がネックにはなりますが、手術そのものも”原則見せる”で良いでしょう。見られて困る執刀医は淘汰されればいいわけですから。手術室をガラス越しに公開する、のみならず、内視鏡なり顕微鏡なりの画像も同期したモニターで公開、という病院、人医療においては存在しますし。

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