意見交換掲示板過去発言No.0000-200610-53
re: 疥癬について、 |
投稿日 2006年10月7日(土)12時11分 投稿者 プロキオン
すでに けりーずはうす先生からレスがついておりますが。 emi さんの疥癬についてのご理解は、それでよろしいかと思います。一般的に見聞きし た話としては、疑問を感じられるのも不思議ことではないでしょう。 疥癬にしても、アカラスにしても、宿主の免疫から自己を守るための物質をもっていて 寄生していますから、宿主に何らかの問題が生じれば、母犬や兄弟犬に異常がなくても 発症するということは考えられることです。 疥癬やアカラスのようなダニの検出には、皮膚を血がでるまで削り取って検査すること になっていますが、私は、その検査が苦手です。なんか、意図的にではないのですが、 手心を加えてしまっているようです。まあ、検査が下手な事は自覚しておりますので、 できうる限り、自分が見逃しているという前提で処置するようにしています。 つまり、ヒゼンダニが見つかっているということであれば、それは、疥癬として受け取 ってよろしいのではないかと考えます。 私達臨床医は、病気のステージの中のある1点をもって、ポンと目の前に患者を連れて こられて診察することになるのですが、飼育情況や環境を通じて把握できていないこと はいっぱいあります。 したがいまして、説明が不十分になってしまうこともあります。飼い主さんを馬鹿にし ての不十分ではまずいのですが、説明できないこともある点はご理解願います。 また、注射薬の使用については、確かに治療としては簡単確実であるのですが、私もあ まり幼弱な子には使用しないようにしています。こちらは、脳脊髄液関門がしっかりと していない段階の子に投薬して事故があったからです。 ちょうど今も疥癬の子猫が来ているのですが、塗り薬で対応しています。効果よりも安 全性を優先していると弁解させてください。では、いつからなら注射薬が投薬できるの かということになるのですが、これは本によっても人によっても異なっていました。 注射薬を使用するのは、私自身になりますし、犬や猫での認可が下りている薬ではない ので、安全性の判断は私が負わなくてはなりません。Aの個体が大丈夫だったから、B もCも大丈夫といかないのが生き物の世界です。効果がある薬だけに慎重を期していま す。 なお、emi さんの疑問については、先に述べましたようにもっともな点もありますので、 払拭しかねるようであれば、別の病院で診察してもらって確認するというのも考えられ ることです。
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