意見交換掲示板過去発言No.0000-200611-104
re: サルモネラ菌について |
投稿日 2006年11月15日(水)10時57分 投稿者 プロキオン
サルモネラ菌は、ことさら爬虫類をとりあげる必要はなく、あらゆる動物に存在してい ます。 家畜の方でも牛・豚・鶏にそれぞれ重要な疾病として認識されていますし、「野生と自 然」の方の掲示板でも今春の北海道のスズメの大量死でも取り上げられています。 なかでも、とくに問題となるのは人間の「サルモネラ菌食中毒」であり、食品衛生監視 員の監視対象であって、納豆のような食品にまでもサルモネラがいないかを検査してい る県もあります。そのくらい分布あるいは汚染が多いということになると思います。 症状の方は、多くが「腸炎症状」が主たるものであって、「髄膜炎」や「脳炎」という のは少ない方になるというか、感染した宿主の側にもなんらかの要因があることが多い ようです。 サルモネラには極めて多くの血清型が存在しており、A群、B群というように分類され ていますが、中でもD群のサルモネラ菌は極めて重要度が高く、分離されたら国へ届け 出るように指示されています。 症状については、正確には分離されたサルモネラの種類と併せて検討されなくてはなら ないでしょう。 また、一度汚染されてしまうと清浄化が困難なことが多く、対応に苦慮します。これは サルモネラ菌の特性として、白血球やマクロファージのような生体防御側の細胞に貪食 されても、破壊されることなく、これらの食細胞の中で生存しつづけることがあるから です。このために一見健康な動物(人間)に見えても、体内にサルモネラ菌を持ち続け て、菌を排泄しつづけることがあるからです。 家畜の場合は、オールアウトと言って、群全体を農場から出してしまうことができます が、人間やペット動物では、そのような徹底した駆除ができません。オールアウトして さえも清浄化がなかなか進まない情況があるくらいですから、人間界やペットの世界で 清浄化が図れないのも無理のないところかもしれません。 付記というわけではありませんが、アメリカのミドリガメ輸出業者は出荷時にはサルモ ネラ菌は陰性であるとコメントしているというようなニュースがありました。 しかし、国内で流通しているミドリガメでは、かなりの保菌率があるようであって、そ れこそ、どこで感染したのかという話になります。公衆衛生分野では「動物由来感染症 」として扱われていますが、むしろ、「人間由来感染症」の側面の方が強いのかもしれ ないと個人的には考えています。 流通や日常の飼育のどの過程で、感染や保菌が起きるのでしょうか? 爬虫類や両生類 の飼育者であれば、「人間由来感染症」という観点から、なお、一層の注意を持ってい ただきたいと思います。 国内でも鳩の飼育者の間では、レースがありますので、サルモネラ対策はかなり検討さ れてきているようです。
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