意見交換掲示板過去発言No.0000-200611-148
re: アイボメックの副作用? |
投稿日 2006年11月24日(金)12時30分 投稿者 プロキオン
こういう際の注意点から1つ。原因が科学的に断定されていない場合であれば、直接の商品名をあげるのは、よくありません。こちらの掲示板自体がクレームの対象となってしまう可能性があります。「注射用イベルメクチン製剤」という表現で読むものには通じると思います。 さて、この製剤を希釈して服用させていたとありますが、この場合の希釈液はなんだったのでしょう。基材として石油系の成分をもちいてありますので、「水」系の希釈液であれば、白濁して沈殿を生じてしまうはずであって、その薬効を損ねてしまっているはずです。したがって、本来の薬用量よりも減量された投与量になっているように推測できます。(希釈剤を自宅に持ち帰ってから服用していのであれば、なのことです) それでも、投与量が最初から、それを想定して多くなっていれば、この点についてはなんとも言えなくなってしまいますが。 ダニに対する薬用量は使用説明書によれば、体重1Kgあたり200マイクログラムなのですが、犬猫に使用する先生方の例では200〜400マイクロぐらいの範囲が多いようです。これは、この薬が本来牛や豚用に製造されていて、濃い状態に調剤されているために、犬猫に注射するためには、先に述べたように希釈する必要があります。そして、その希釈が好ましくないために、多めに用いるということになりがちなのです。 犬猫にはよくないというのは、その辺りの事情があると考えられます、成分そのものが犬や猫に不適ということではないでしょう。 一般的な副作用というのは、200〜600マイクロで、 下痢、散瞳、沈うつ、運動失調、振戦、流涎、不全麻痺、横臥、興奮、昏迷、昏睡 とされています。 また、40000マイクロ以上ですと、非感受性犬種にも死亡例が発生することがあるそうです。3ヶ月齢以下の若齢動物への投与は禁忌とそれていますが、今回の場合は、これには該当しなさそうです。 この製剤の主たる作用部位は、実は神経接合部ですので、副作用として神経症状が発現することは、むしろ考えられることと言えますし、上であげた中にもありますよね。 ただ、本来は、何日も体内にとどまっている薬でもありませんので、「どのくらいの量」を服用させたのか、「服用後どのくらいの時間」で発現したのか、「どのくらいの時間継続」したのか、そして、それは「服用の都度発現したのか」で、因果関係を推定するしかないように思います。 簡単に言えば、再現性があるかどうかが判断の決め手ではないでしょうか。 記載の中にある「便の排泄障害」は、私は耳したことがありませんし、副作用自体も一過性のはずです。さらに、記載した副作用も緩和のための処置が可能ではないかと思います。 症状がずっと継続しているのであれば、この製剤とは別の原因で障害が発生していると考えていくのが妥当のように思います。 検査方法云々については、神経学的な検査や脊髄造影、CTあるいはMRI等の検査を進めていって、疾患が原因であるということを消去していってということになりそうです。
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