意見交換掲示板過去発言No.0000-200702-80
Re:血統書について |
投稿日 2007年2月10日(土)12時22分 投稿者 プロキオン
生物学的に考えられる点については、すでにけりーずはうす先生がレスつけしてくださっていますから、私は別の視点から。 そもそもは血統証が何を目的をしているかというと、品種におけるスタンダードの作出とその維持(健全な発展)です。この犬種のこの部位はこのようになってるべきだとスタンダードブックに記載されれば、できるだけそういう犬の作出をもとめます。この時に血統証を読んで、理想に近い形態の犬を選んで交配することとなります。それが頭部であれ、肩であり、尻であってもです。 各々のブリーダーにおいて「犬舎名」で血統証の登録は行われますが、それはそれぞれの血統の流れがその「犬舎」に伝えられて維持されているからです。頭部が理想的な犬を作出している「犬舎」であれば、そこで作出された犬が一般の飼い主さんのもとで他の犬種の犬との交配に用いられてしまえば、その「犬舎」が続けてきた改良の意味を否定されたことになります。頭部の改良を目的としては、その「犬舎」のブランド名が傷つけられたことになります。 そのような雑種がその「犬舎」の作出した犬の子孫にいることが認めがたいこととなるわけです。生まれてきた雑種の子犬だけでなく、交配に用いられた純粋種の犬についても雑種扱いするということは、つまり、「犬舎」からの「縁切り状」を意味しているのです。我が子を嫁入りさせる相手を間違えた、いまさら取り返すこともできないから、せめて三行半で絶縁するということなのです。 血統証というものは、戸籍のようなものなのですが、両親や父母・祖父母さらにもっと上まで遡及できるということは、「連綿として続いている血の流れ」とも考えられます。 1頭だけのものではないということになるのでしょう。それゆえ、登録には「犬舎名」として、個体だけでない「血の流れ」をもってあてているということになるのだと思います。 換言すると、一度でも他の犬種と交配させられてしまった犬は、この「血の流れ」から外れた犬であるということになります。実家が「もう、我が家のものではない」と宣言しているのですから、血統的な後ろ盾がなくなって、血統証もただの紙切れとなった、そういう状態ですから、「雑種である」ということなのです。生物学的な雑種ということではないのです。
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