意見交換掲示板過去発言No.0000-200704-100
Re:犬ブルセラの人への感染と生殖について |
投稿日 2007年4月19日(木)10時38分 投稿者 ムクムク@管理人
獣医師広報板管理人のムクムクです。 獣医師広報板としては犬ブルセラ症関連のデーターはお知らせのページに まとめてあります。 http://www.vets.ne.jp/info/pc/brucella/ 今回問題になっているBrucella canisによる人への感染ですが、ウィキペディア の記述によると実験室内感染は証明されています。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%A9%E7%97%87 これは、Brucella canis感染犬が珍しく、実験段階で感染があったと言うことですが、 珍しくなくなってきたらどうなるか。 私は恐ろしいです。 まず、治療と称して抗生剤を感染犬に与えらたとします。 以下は山根義久日本獣医師会長が監修した「イヌ・ネコ家庭動物の医学大百科」 (ピエ・ブックス)の犬ブルセラ症の項の一部を引用します。 ********************************** 治療はテトラサイクリンの長期投与が有効ですが、投与を中止した後に 菌血症になることが多いようです。 ********************************** つまり、完治しにくい病気であり、その細菌に抗生物質を与え続けるとすれば 耐性菌の出現も容易に想定されます。 これは人にとって驚異ではないと言えるでしょうか。 状況は、「日本には無い」から「静岡・沖縄・大阪の繁殖場で検出された」に 変化しました。 ここで、押さえ込まなくてはならないと私は考えます。 犬はもっとも一般的なペットです。 なぜ犬なのかと言えば、ベストパートナーだったからです。 それが、健康被害をもたらし、容易に完治しない病気を移すかもしれない 存在となれば、結局かわいそうな目に遭うのは罪のない犬たちです。 今、日本から根絶させなくてはいけない。 獣医師広報板ではスタッフ一同でそのような思いから末尾のような要望書を まとめ、政府・地方行政・動物関連団体などに送付しました。 感染蔓延を阻止できるのは今だと考えています。 ********************************** ◆獣医師広報板からの要望◆ 2007/4/3 「健康なペットの流通と飼育のために!!」 人畜共通感染症の蔓延防止について 大阪府内の犬繁殖場で人畜共通感染症であるブルセラ病の集団感染が確認され問題になっています。 この繁殖場からは感染犬がすでに流通してしまっている恐れや、流通ルート上の販売店などで感染を広げている懸念があります。 これをふまえ、要望いたします。 1.政府・地方行政におかれましては早急に、流通しているペットの人畜共通感染症罹患調査を実施されるよう要望します。 また同じく政府・地方行政におかれましては、動物取扱業のうち販売・貸出・展示の業種分類に該当する者に対しては人畜共通感染症および遺伝疾患についての周知徹底を図るとともに、所有動物に健康診断とワクチン接種および感染症検査を定期的に実施するよう義務づけることを要望します。 2.血統証明書発行団体におかれましては、血統証明書発行の際に人畜共通感染症検査済み証の添付を義務づけるよう自主規制されることを要望します。 3.全国の獣医師におかれましては、人畜共通感染症蔓延防止のため感染の早期発見に留意し、感染を疑うときは関係機関へ迅速な届け出をするとともに届け出義務のない人畜共通感染症についても報告に努められるよう要望します。 ペットは家族の一員です。 健康なペットの流通と飼育のため、関係各位ご考察くださるようお願い申し上げます。 獣医師広報板 http://www.vets.ne.jp/ 主宰・川村幸治 スタッフ一同
|
|
|
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」 ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴) サポーターや広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)、 多くの人々に支えられています。 獣医師広報板へのリンク・サポーター募集・ボランティアスタッフ募集・プライバシーポリシー 獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。 @mukumuku_vetsさんをフォロー
Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved |