人間のインフルエンザが動物に感染するかということになると、共通のウイルスに対して感受性を有する動物もいれば、感染しないであろうという動物もおります。
これは、インフルエンザウイルスがひじょうに多岐にわたる分類ができてしまうウイルスであるからに他なりません。
ＨとＮの抗原基の組み合わせによってさまざまに分類できるのですが、この組み合わせの中でそれぞれのインフルエンザウイルスに感受性をもっている動物が存在しているということになるので、感染源が特定の動物から人間へとか、人間から動物へと一方的に断定することは、さらに断定しがたくなります。（多くの場合は、同種間での感染が普通のことです）
定番質問の回答集である「動物よくある相談」の中に「インフルエンザの基礎知識」という項目があります。saito 先生が書いてくださったものですが、一部ではありますが、どのようなインフルエンザウイルスがどのような動物に感染するのかが記載されていますので、参考としてください。

猫においては、一般的に呼称されている「猫風邪」は、これらのインフルエンザとは種類が異なるウイルスによって引き起こされる疾病でして、人間のインフルエンザとはまったく異なります。
猫においては、普通はこちらが主流でして、人間からのインフルエンザウイルスの感染という現象は、まず心配されなくてよろしいのでないでしょうか。