意見交換掲示板過去発言No.0000-200707-148
Re:Re:Re:パールちゃん様へ・けりーずはうす様へ |
投稿日 2007年7月24日(火)02時05分 投稿者 パールちゃん
経験上それを使うことにためらいがある薬ってありますね。私にとっては利尿剤がそうです。 胸水がたまって呼吸が苦しい犬に利尿剤が処方されました。利尿剤が効くとたくさんおしっこをしてくれて胸は楽になりますが、反面、とてもノドが乾きます。でも、そこで好きなだけ水を飲ませてしまっては利尿剤を投薬する意味がなくなるし、水を飲めばまた胸が苦しくなります。 私は水入れを隠して、水を欲しがったらほんの一口だけにして、飲み水を我慢させました。 もう歩く体力もなかった犬はいつも水入れのあったところまで這っていき、「お水、ないよ、どうして?」という顔をし、そして亡くなりました。 もう何年も前のことですが、それ以来私はよほどの覚悟がないと利尿剤を使わなくなりました。水を飲むという生きるうえでの根源の欲求をセーブしてまで延命させることはもうしない、そう決めました。 苦しい、痛い、そういう状況に犬がいるとき、飼い主としては当然、どうにかしてあげたいと思います。が、どうにかしてあげるそのこと自体がほかの苦しみを犬にもたらす場合もある。たとえば、利尿剤のように水を欲しがるのに我慢を強いる場合もある、おうちにいたいのに入院させられて点滴につながれる場合もある、痛みは消えたけれどほかの感覚もにぶって大好きな飼い主のこともわからなくなる・・飼い主が犬のためによかれと思ってやっていることが犬自身にとって新たな苦痛や我慢やストレスになる、このことを飼い主はよく考えなきゃいけませんよね。 今を乗り切れば回復の見込みがある犬と、そうでない犬、この2つの分かれ目が飼い主にとっての判断基準になるだろうと思います。そして、主眼をどこに置くかだと思います。 痛みをやわらげてあげることを第一とするなら副作用も受け入れ、それによってなにが起こってもいいと覚悟して投薬する。いや、副作用のせいだったのかと後悔を残すような結果にだけはぜったいしたくないから投薬はしない。どちらを選んでも間違いではないと思います。 ひとつぜったいだと言えるのは、使う薬はあくまでも犬自身のためになるものでなければならない。
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